日本HPから、液晶ディスプレイを取り外すことでタブレットとしても使える2-in1パソコン「HP Pavilion x2 10-n100」が発表されました。直販サイト「HP Directplus」では11月上旬から、家電量販店では11月中旬から販売されます。価格は直販モデルが5万9800円(税別)からで、量販店モデルが店頭予想価格6万5000円(税別)から。本体のカラーバリエーションとして、ブリザードホワイトとサンセットレッドの2種類が用意されています。
「HP Pavilion x2 10」は軽量&コンパクトなボディと、リーズナブルな価格で人気のシリーズです。2015年夏モデルとして発売された「HP Pavilion x2 10-n000」とどこが違うのか? 直販モデルについて新旧機種のスペックを比較しました。
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- HP Pavilion x2 10-n100 製品詳細(HP Directplus)
HP Pavilion x2 10のスペック
2015年冬モデルの名称は「HP Pavilion x2 10-n100」で、2015年夏モデルは「HP Pavilion x2 10-n000」です。ちょっとわかりづらいので、モデル名に注意してください。新旧モデルそれぞれの主なスペックは、下記の表のとおりです。新モデルの変更点を赤い太字で表記しているのですが、意外に変わっている箇所が多いことがわかります。
「HP Pavilion x2 10」2015年冬モデルと2015年夏モデルの主なスペック | ||
モデル | 2015年冬 スタンダードモデル (10-n132TU/10-n133TU) |
2015年夏 スタンダードモデル (10-n009TU/10-n010TU) |
---|---|---|
OS | Windows 10 Home 64bit | Windows8.1 Update 32bit |
CPU | Atom x5-Z8300(1.44GHz) | Atom Z3736F(1.33GHz) |
メモリ | DDR3L 2GB(1600MHz) | DDR3L 2GB(1333MHz) |
グラフィックス | Intel HD Graphics (CPU内蔵、第8世代) | Intel HD Graphics (CPU内蔵、第7世代) |
ストレージ | 64GB eMMC | |
光学ドライブ | なし | |
ディスプレイ | 10.1型(1280×800ドット)、IPS、光沢、タッチ対応 | |
無線LAN | IEEE802.11a/b/g/n/ac | IEEE802.11b/g/n |
Bluetooth | Bluetooth 4.0 | |
Webカメラ | 92万画素 | |
センサー | 加速度センサー、ジャイロスコープ、デジタルコンパス、周辺光センサー | |
主なインタフェース | USB3.0×1、USB2.0 Type-C×1、microHDMI、microSD/SDHC/SDXC対応メモリーカードスロット、ヘッドホン出力 | USB2.0×1、USB2.0 Type-C×1、microHDMI、microSD/SDHC/SDXC対応メモリーカードスロット、ヘッドホン出力 |
バッテリ駆動時間 | 9時間30分(動画再生時) | 10時間45分(動画再生時) |
オフィス | Office Mobile | なし |
本体サイズ | 幅265×奥行き175×高さ10mm(タブレット時)/幅265×奥行き183×高さ16.7~20mm(キーボードドック装着時) | |
重量 | 595g(タブレット時)/1.15kg(キーボードドック装着時) | 600g(タブレット時)/1.19kg(キーボードドック装着時) |
CPUがBay Trail世代からCherry Trail世代へ
新モデル「HP Pavilion x2 10-n100」注目ポイントは、CPUにAtom x5-Z8300(1.44GHz)を採用している点です。前モデルで使われていたAtom Z3736F(1.33GHz)はBay Trail世代のCPUでやや古かったのですが、新モデルで使われているAtom x5-Z8300は最新のCherry Trail世代で、パフォーマンスの向上を見込めます。
Atom x5-Z8300とAtom Z3736Fの違い | ||
CPU名 | Atom x5-Z8300 | Atom Z3736F |
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開発コード | Cherry Trail | Bay Trail |
アーキテクチャ | Airmont | Silvermont |
プロセスルール | 14nm | 22nm |
コア数/スレッド数 | 4/4 | |
動作周波数 | 1.44GHz | 1.33GHz |
バースト周波数 | 1.84GHz | 2.16GHz |
キャッシュ | 2MB | |
メモリー帯域 | 12.8GB/秒 | 10.6GB/秒 |
SDP | 2W | 2.2W |
グラフィックス | Intel HD Graphics(第8世代) | Intel HD Graphics(第7世代) |
グラフィックス動作周波数 | 200MHz | 313MHz |
グラフィックス最大動作周波数 | 500MHz | 646MHz |
実行ユニット数 | 12 | 4 |
DirectX | 12 | 11 |
OpenGL | 4.3 | 3.0 |
OpneCL | 1.2 | 1.2 |
グラフィックス性能が25%向上
新旧モデルはどちらともグラフィックス機能に、CPU内蔵のIntel HD Graphicsを使います。ただし名前は同じでも中身は変わっており、Atom x5-Z8300を搭載した「HP Pavilion x2 10-n100」が高性能です。メーカーの発表によると新モデルは前モデルに比べて、グラフィックス性能が約25%アップしているとのことでした。
これは、3D描画処理を行なう「実行ユニット(EU)」の数が増えているためです。前述の表を見るとおわかりのように、新モデルの実行ユニットの数は前モデルの3倍である「12」となっています。Atom x5-Z8300とAtom Z3736FのCPU自体のサイズはそれほど変わりません。しかし回路で使われている線の幅が22nmから14nmに縮小したことでCPU内に空きが生まれ、その部分に実行ユニットが追加されているのです。
さて新モデルはグラフィックス性能が25%向上しているとのことですが、それでも残念ながら3Dゲームを快適に楽しめるほどのパワーはありません。2D主体のブラウザーゲームやごく軽めに作られたWindowsストアアプリのゲームなら、問題なく遊べるはずです。
メモリーの転送速度が1.2倍に向上
前モデルではメモリーにデータ転送速度が1333MHzのDDR3Lメモリーが使われていましたが、新モデルの「HP Pavilion x2 10-n100」には1600MHzのDDR3Lメモリーが搭載されています。これにより、メモリーの転送速度は約1.2倍に向上しました。パフォーマンスは確実にアップしているのですが、その違いを体感できるかはわかりません。
フルサイズのUSB3.0端子を搭載
前モデルでもフルサイズのUSB端子は用意されていましたが、規格はUSB2.0でした。しかし「HP Pavilion x2 10-n100」では、より高速なUSB3.0端子に対応しています。USB3.0対応のUSBメモリーや外付けHDDのアクセス速度が大きく向上するでしょう。
Windows 10搭載でより便利に
OSはWindows 8.1 UpdateからWindows 10 Homeに変わりました。いろいろと新機能が使えるようになっていますが、なかでも注目したいのは「Continuum(コンティニュアム)」と呼ばれる機能です。キーボードドックに接続している際は標準的な「デスクトップモード」で操作できますが、キーボードから取り外すと自動的にタッチ操作向けの「タブレットモード」に切り替わります。このようにOSがWindows 10に変わったことで、さまざまな便利機能を使えるようになりました。
文書の作成・編集が可能なOffice Mobileを搭載
「HP Pavilion x2 10-n100」には、Windows 10向けアプリ「Office Mobile」がプリインストールされています。デスクトップ版の「Office 2016」よりは機能が少ないものの、一般的な文書の作成や編集、閲覧には十分です。
Office Mobileには商用利用不可の「Office Mobile」と、商用利用が可能な「Office MobileプラスOffice 365サービス」の2種類が用意されています。「Office Mobile」であれば無料で利用できますが、仕事で使う文書の作成には使えません。仕事用の文書を作成するなら、「Office MobileプラスOffice 365サービス」が付属するモデル(10-n140TU/10-n141TU)を選んでください。なお直販モデルでは無料版か商用利用可能な「Office MobileプラスOffice 365サービス」のどちらかを選べますが、量販店向けには「Office MobileプラスOffice 365サービス」搭載モデルのみ用意されています。
サイズはそのままで5g軽くなった
新モデルは前モデルと比べ、本体の大きさはまったく変わりません。しかし重量は5g軽くなりました。体感的にはほとんど変わりませんが、性能がアップしているにも関わらず重量が増えていない点については評価できるでしょう。
バッテリー駆動時間は1時間15分減少
バッテリー駆動時間については、前モデルより1時間15分短い9時間30分となっています。モバイル性能が落ちているのは残念ですが、それでもまだスタミナ十分あるほうです。パワーアップ点を考えれば、妥協できる範囲内と言えます。
格安価格の2-in-1タブレットとして注目!
タブレットとしても利用できる2-in-1タイプのパソコンは、ノートパソコンに比べて価格が高くなる傾向があります。しかし「HP Pavilion x2 10-n100」は直販モデルで5万9800円(税別)からと、かなりリーズナブルです。2-in-1パソコンを安く購入したい人に、おすすめのモデルと言えるでしょう。
なお「HP Pavilion x2 10-n100」は家電量販店のほか、直販サイト「HP Directplus」でも販売されています。詳しいスペックや追加オプションの内容などについては。製品詳細ページをご確認ください。
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