インテルのCeleron 4205Uは、2019年1月に発表されたノートPC向けのCPUです。2019年の初頭からノートPCの下位モデル / 格安モデル、一体型PCなどで使われています。
現時点では新しいCPUですが、だからと言って性能が高いわけではありません。もともとCeleronは低価格PC向けのCPUで、Core i3 / i5 / i7などに比べるとパフォーマンスはグッと劣ります。PCを安く入手したい人向けのCPUです。
Celeron 4205U概要
世代 | 第8世代 |
---|---|
開発コード | Whiskey Lake |
コア数 / スレッド数 | 2 / 2 |
動作周波数 | 1.80GHz |
最大動作周波数 | ー |
TDP | 15W |
内蔵グラフィックス | Intel UHD Graphics 610 |
この記事ではこれからノートPCを購入しようとしている方のために、Celeron 4205Uの性能について紹介します。
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Celeron 4205Uの位置づけ
Celeronは、計算性能よりも価格の安さやバッテリーのもちの良さを重視したCPUです。そのためCPU性能自体は高くありません。Celeronを搭載したPCは価格が安いのですが、Core iプロセッサー (Core i3 / i5 / i7など)が使われている機種に比べると、処理に時間がかかります。
とは言え、ごく軽めの作業であればCeleronでも十分な場合があります。PCでどんな作業を行なうのかによって、CPUの種類を選んでください。
CPU選びの目安
Celeron | ・Webページを見る ・ネット動画の視聴 ・ごく簡単な文書作成 |
---|---|
Core i3 | ・事務処理 ・文字中心の資料作成 ・写真の簡単な加工 |
Core i5 | ・写真や画像の加工 ・データ処理 ・画像入り資料の作成 |
Core i7 | ・プロ用ソフトの利用 ・大規模なデータ処理 ・小規模な動画編集 |
Celeron 4205Uは、2019年1月ごろから主にノートPCの下位モデルや一体型PCなどで使われています。搭載機種の価格は税別で4~6万円台、オフィス付きなら5~7万円台が中心。国内ブランドのモデルでは10万円以上のものもありますが、パフォーマンス面「だけ」で考えるなら割高です。
ちなみにCeleron 4205Uが登場するまでは、Celeron 3865U (2017年3月発表)というCPUがよく使われていました。新しいCeleron 4205Uのほうが高性能かと思いきや、スペック上はあまり変わっていません。パフォーマンスは微増した程度と考えたほうがいいでしょう。
Celeron 4205UとCeleron 3865Uの違い
Celeron 4205U | Celeron 3865U | |
---|---|---|
世代 | 第8世代 | 第7世代 |
開発コード | Whiskey Lake | Kaby Lake |
コア数 / スレッド数 | 2 / 2 | 2 / 2 |
動作周波数 | 1.80GHz | 1.80GHz |
最大動作周波数 | - | - |
TDP | 15W | 15W |
内蔵グラフィックス | UHD Graphics 610 | HD Graphics 610 |
Celeron 4205Uのベンチマーク結果
続いて、当サイトで実施したCPUベンチマークテストの結果を紹介します。なおベンチマーク結果は各機種の平均値であり、Celeron 4205U本来の性能を正確に表わすものではありません。また結果はパーツ構成やタイミング、環境、個体差などにより大きく変わることがあることをあらかじめご了承ください。
一般ノートPC向けCPUとの比較
7万円以上の標準タイプのノートPCでは、CPUにCore iプロセッサーがよく使われています。これらのCPUと比べると、Celeron 4205Uの性能はかなり控えめ。予算を追加してCore iプロセッサー搭載モデルを選ぶことをおすすめします。
CPUの性能比較(一般向けノートPC)
CPU | PassMark CPU Markスコア |
---|---|
Core i7-8565U (第8世代) |
9786
|
Core i7-8550U (第8世代) |
9009
|
Core i5-8265U (第8世代) |
8595
|
Core i5-8250U (第8世代) |
8403
|
Core i7-7500U (第7世代) |
5708
|
Core i3-8130U (第8世代) |
5527
|
Core i5-7200U (第7世代) |
4949
|
Core i3-7100U (第7世代) |
3785
|
Celeron 4205U (第8世代) |
2026
|
※2019年5月時点での当サイトの平均値。最新データは別記事でご確認ください
格安ノートPC向けCPUとの比較
3~5万円台の格安モデル向けCPUと比べると、Celeron 4205Uの性能は中の上あたり。パフォーマンスに関しては、とりたてて注目に値するというほどではありません。ただし3万円台~4万円台前半で売られているなら、下位クラスCPUを搭載した機種よりもお得です。
CPUの性能比較(格安ノートPC)
CPU | PassMark CPU Markスコア |
---|---|
Core i3-7020U |
3802
|
Pentium N5000 |
2650
|
Celeron N4100 |
2569
|
Celeron 4205U |
2026
|
Celeron 3865U |
2016
|
AMD E2-9000 |
1898
|
Celeron N4000 |
1553
|
Celeron N3350 |
1254
|
※2019年5月時点での当サイトの平均値。最新データは別記事でご確認ください
グラフィックス性能
Celeron 4205Uでは、CPU内蔵のグラフィックス機能 (iGPU)を使います。GeForceシリーズなどの専用グラフィックスチップ (dGPU)に比べると、パフォーマンスはかなり低め。ミニゲームやレトロゲームであればなんとかプレーできますが、基本的にゲームのプレーは考えないほうが無難です。
グラフィックス性能比較
CPU | 3DMark Fire Strikeスコア |
---|---|
GeForce GTX 1050 |
5412
|
GeForce MX 150 |
3053
|
Core i7-8565U (UHD 620) |
1162
|
Core i5-8265U (UHD 620) |
1061
|
Core i3-8130U (UHD 620) |
945
|
Celeron 4205U (UHD 610) |
519
|
AMD E2-9000 (Radeon R2) |
424
|
Celeron N4000 (UHD 600) |
369
|
※2019年5月時点での当サイトの平均値
Celeron 4205U搭載機種ごとの違い
当サイトでは2019年5月時点までに、Celeron 4205U搭載モデルを1機種のみ検証しています。検証台数が少ないのでデータの精度は高いわけではありません。あくまでも暫定データとして捉えてください。今後検証する機会があればデータを追加します。
Celeron 4205U搭載機別のベンチマーク結果
機種名 | CINEBENCH R15 | CPU Mark | サイズ |
---|---|---|---|
Inspiron 15 3580 | 136 | 2026 | 15.6インチ |
ちなみに以下の機種には下位モデルとしてCeleron 4205Uに対応しています。
Celeron対応モデル
Inspiron 15 3580 [デル]
LAVIE Direct NS [NEC]
パーツ構成と価格しだいではアリ
Celeron搭載PCは遅くて使えない、という声をよく聞きます。しかし格安PCが遅いのはCPUではなくHDDが原因です。特にWindows Update中やウィンドウズの起動直後、重めのソフト終了直後にディスクへの書き込みが頻繁に行なわれるため、ほかの操作ができないほど動きが遅くなります。
もしCeleron 4205U搭載PCを検討しているなら、SSD搭載モデルを強くおすすめします。HDDのみでは「超遅い」のですが、SSDが使われているなら「少し遅い」程度に改善されるでしょう。
PCを改造できるなら、自分でHDDをSSDに交換するのもアリです。メモリーを4GBから8GBに増設すれば、さらに快適に利用できます。
SSDを利用する、もしくはHDDが遅くてもガマンするのであれば、Celeron 4205Uはアリです。価格の目安としてはHDDモデルなら3万円台~4万円台前半、SSDモデルであれば4万円台半ばであればお買い得。オフィス付きならプラス2万円程度と考えてください。
パフォーマンス以外の付加価値があるなら、多少値段が高くても検討していいでしょう。たとえば超軽量なモバイルノートPCやテレビ機能付きの一体型PCなら、10万円を超えなければアリだと思います。
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