3~5万円台で販売されている格安PCの多くは、CPUとしてCeleron N2830かCeleron N2840を採用しています。それぞれのCPUはどれくらいの性能なのか、ほかのCPUと比べて性能が高いのかどうかが、いまひとつわかりづらいところ。そこで今回は、Celeron N2830とCeleron N2840に加え、タブレットでよく利用されているAtom Z3795やAtom Z3735Fなどのスペックとベンチマーク結果を比較します。
https://little-beans.net/exposition/compare-celeron/
Bay Trail世代の主要CPUを比較
まずはBay Trail世代のCPU(SoC)のなかから、現行モデルに比較的よく使われているCeleron N2830とCeleron N2840、Celeron N2940、Atom Z3795、Atom Z3735Fについて、それぞれのスペックを比べてみましょう。
Bay Trail世代の主要CPUのスペック | |||||
CPU名 | Celeron N2830 | Celeron N2840 | Celeron N2940 | Atom Z3795 | Atom Z3735F |
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開発コード | Bay Trail-M | Bay Trail-T(Bay Trail Refresh) | |||
公開 | 2014年第1四半期 | 2014年第3四半期 | 2014年第3四半期 | 2014年第1四半期 | 2014年第1四半期 |
コア数/スレッド数 | 2/2 | 4/4 | |||
動作周波数 | 2.16GHz | 2.16GHz | 1.83GHz | 1.59GHz | 1.33GHz |
TDP(SDP) | 7.5W(4.5W) | -(2W) | |||
キャッシュメモリー | 1MB | 2MB | |||
グラフィックス | Intel HD Graphics(CPU内蔵) | ||||
グラフィックス動作周波数 | 311MHz | 313MHz | 311MHz | ||
グラフィックス最大動作周波数 | 750MHz | 792MHz | 854MHz | 778MHz | 646MHz |
上記の表からそれぞれの違いを簡単にまとめると、以下のようになります。
Celeron N2830/N2840の特徴
- Celeronはモバイル(ノートPC)向けで、Atomはタブレット向け
- Celeron N2830とCeleron N2840は、内蔵グラフィックス(iGPU)の最大動作周波数がわずかに異なるのみ
- Celeron N2830とCeleron N2840はデュアルコア、そのほかはクアッドコア
- Celeron N2830とCeleron N2840はキャッシュメモリーが1MBで、そのほかは2MB
ざっくりと説明すると、ノートPC向けとしてはCeleron N2830とCeleron N2840が下位CPUでCeleron N2940が上位CPU、タブレット向けではAtom Z3795が上位CPUでAtom Z3735Fが下位CPUということです。
ここで注目したいのは、Celeron N2830とCeleron N2840がデュアルコアで、キャッシュメモリーが1MBである点です。動作周波数はほかのCPUよりも高いのですが、CPUの性能はコアの数に影響されることが多いため、作業の内容によってはタブレット向けのAtomよりも性能が劣る可能性もあります。必ずしも「CeleronだからAtomよりも高性能」という訳ではない点に注意してください。
Celeron N2830とCeleron N2840のベンチマーク結果を比較
続いて、各CPUのベンチマーク結果を比べてみましょう。以下の表は、ベンチマーク結果比較サイト「PassMark CPU Benchmarks」と「Geekbench Browser」に掲載されているデータを独自に集計したものです。それぞれのサイトでは何台ものPCでテストした結果を集計し、平均値を割り出しています。テストした機種によって結果が大きく変わるため、必ずしも正しい結果であるとは限りません。また結果は日々更新され続けているため、タイミングによっては今回紹介する値と異なる場合があります。あくまでも参考程度に捉えてください。
参考までに、Haswell世代のCore i3-4005Uのベンチマーク結果も含めています。Core i5やCore i7については、Core i3の結果よりも(かなり)上と考えてください。
Geekbench 3の結果では多少の差が出ていますが(おそらくテスト機種の違いによるもの)、Celeron N2830とCeleron N2840はほぼ同程度の性能と言っていいでしょう。Celeron N2940はクアッドコアだけあって、さすがにこのなかでは高いスコアが出ています。意外なのは、Atomシリーズのスコアが高めだった点です。上位CPUのAtom Z3795はCeleron N2830/N2840よりもスコアで上回り、Atom Z3735FについてはGeekbench 3のマルチコアのテストで高い結果が出ています。作業内容によっては、タブレットのほうが快適に行なえるかもしれません。
Celeron N2830とCeleron N2840ならどちらを選んでも変わらない
スペックやベンチマーク結果を比較するとわかるように、Celeron N2830とCeleron N2840の性能はほとんど変わりません。PCを購入する際は、CPUの違いではなくメモリー容量やストレージの種類で選んだほうがいいでしょう。
Celeron N2940についてはクアッドコアCPUということもあり、Celeron N2830/N2840よりも高性能です。どちらかで迷っているのであれば、Celeron N2940をオススメします。なおCeleron N2940を搭載した格安PCのレビューを掲載していますので、そちらの記事も参考にしてください。
タブレットか格安PCかで悩んでいる場合は、タブレットがAtom Z3795搭載でメモリー容量4GBならアリだと思います。Celeron N2840よりも快適な動作を見込めるでしょう。価格やキーボード、インターフェース構成などから、自分に合ったPCを選んでください。
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Celeron搭載の格安モデルを紹介
ほかの記事では、Celeronシリーズを搭載した格安なノートパソコンを紹介しています。安いパソコンをお探しの方は、ぜひご覧ください。
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