アフィリエイト広告

Core i5-10210Uのベンチマーク (性能テスト) 結果

Core i5-10210Uのベンチマーク (性能テスト) 結果

インテルのCore i5-10210Uは、2019年8月に発表されたノートPC向けのCPUです。2019年9月以降発売のスタンダードノートPC / モバイルノートPCなどで使われています。おそらく2019~2020年のノートPCにおいて、もっともよく使われることとなるでしょう。

 

Core i5-10210Uのスペック

世代 第10世代
開発コード Comet Lake
コア数 / スレッド数 4 / 8
動作周波数 1.60GHz
最大動作周波数 4.20GHz
TDP 15W
内蔵グラフィックス Intel UHD Graphics

 

性能はひと世代前のCore i5-8265Uと比べてやや向上しました。当サイト計測のベンチマークテストでは、スコアが10%程度アップしています。

 

CPU PassMark CPU Markスコア
Core i5-10210U
9754
Core i5-8265U
8851

※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均

 

前世代よりもパフォーマンスアップしているものの、重い処理が劇的に改善されるわけではありません。ゲームや動画編集などについては「使えないことはないけど、快適というほどでもない」ぐらいのレベルです。それよりもビジネスや日常的な作業での利用に向いています。

 

Core i5-10210Uの用途

gameゲーム
動画編集動画編集
RAW現像RAW現像
3D制作3D制作
デザインデザイン
イラストイラスト
DTMDTM
ビジネスビジネス

※ノートPC向けCPUとしての評価

 

この記事ではこれからノートPCを購入しようとしている方のために、Core i5-10210Uの性能について紹介します。

 

https://little-beans.net/tokushu/corei5-laptop/

Core i5-10210U概要

※ここではCPUのやや専門的な内容について解説しています。CPUの背景に興味のない方は読み飛ばしてもOKです。

3種類の第10世代

インテルのCore i5シリーズは、ノートPC向けCPUのなかでもっとも人気の高いCPUです。性能と価格のバランスに優れる点が特徴ですが、実際のPCの値段はメーカーによって大きく異なります。

 

Core iプロセッサーの種類

Core i3
(下位)
計算性能よりも価格の安さを重視
Core i5
(中位)
性能と価格のバランスを重視
Core i7、i9
(上位)
とにかく性能重視

 

2019年前半までは、第8世代のCore i5-8265Uがよく使われてきました。第8世代から第9世代をスルーして第10世代へ移行したわけですが、ややこしいことに第10世代には3種類のCore i5が存在します。

 

第10世代Core i5の種類

開発コード 概要 主なCPU
Comet Lake 従来と同じ14nmプロセスでありながら、パッケージサイズが大幅に小型化 Core i5-10210U
Ice Lake 新機軸の10nmプロセスでCPUコアも刷新。機械学習性能やグラフィックス性能を強化 Core i5-1035G1
Core i5-1035G4
Amber Lake-Y ファンレスPCやタブレットPC向けの省電力版。製造プロセスは14nm Core i5-10210Y

 

今回取り上げるCore i5-10210Uは開発コードComet Lakeに分類されるわけですが、製造プロセスが変わらないことから、第8世代のWhisky Lakeを引き続くWihisky Lake-R (Refresh)のような位置づけではないかと思います。CPUパッケージのサイズが44%程度小型化されモバイル関連の機能が強化されたことから、薄型 / 小型PCでの利用が中心となるでしょう。

 

それに対してIce Lakeは製造プロセサスが従来の14nmから10nmへと微細化されており、CPUコアがSunnycoveへと変わっています。また一部のCPUでは強化版の内蔵グラフィックス機能「Iris Plus Graphics」が搭載されていることから、基本的にはIce Lakeのほうがパフォーマンスは上なのではないでしょうか。ハイエンド向けのノートPCで使われることが予想されます。

 

第10世代Core iプロセッサー

第10世代Core iプロセッサー

 

Amber Lake-Yは従来のCore i5-8250Yと同じ省電力版です。プロセッサーナンバーを見るに本来はComet Lake-Yだと思うのですが、インテルArk (CPU情報サイト)にAmber Lake-Yと記載されているので名称をそのまま使用しています。こちらはファンレスPCやタブレットPCなどで利用されるでしょう。

Comet Lakeの特徴

Comet Lake世代のCore iプロセッサーでは、新たに以下の機能 / 仕様が追加されました。ただし実際のノートPCでの機能については、製品によって異なります。

 

Comet Lakeで追加された仕様

  • ・最大6コア / 12スレッドに対応
  • ・Wi-Fi 6 AX201に対応
  • ・LPDDR4s / LPDDR3 / DDR4 2666MT/sに対応

 

また従来と同様、チップセットを含めて以下の機能に対応しています。

 

Comet Lakeが対応する機能

  • ・DisplayPort 1.2 / 1.4
  • ・HDMI 1.4 / 2.0a
  • ・Thunderbolt 3
  • ・Optaneメモリー
  • ・USB3 Gen1 / Gen2
  • ・USB2.0
  • ・WiFi6 (Gig+)
  • ・SATA3.0
  • など

 

さらにWindows 10のモダンスタンバイやAlexa (アレクサ)の利用、インテルAdaptixテクノロジーによるシステムの最適化なども利用可能です。

Core i5-10210UとCore i5-8265Uの違い

薄型 / 小型ノートPCではComet LakeのCore i5-10210Uがよく使われているようですが、据え置き用のスタンダードノートPCの一部モデルではCore i5-1035G1が使われています。新しい2種類のCore i5と従来のCore i5-8265Uの違いは以下の表のとおりです。

 

Core i5-10210UとCore i5-1035G1 / Core i5-8265Uの違い

Core i5-10210U Core i5-1035G1 Core i5-8265U
発表日 2019年8月 2019年5月 2018年8月
世代 第10世代 第10世代 第8世代
開発コード Comet Lake Ice Lake Whisky Lake
製造プロセス 14nm 10nm 14nm
コア数 / スレッド数 4 / 8 4 / 8 4 / 8
動作周波数 1.60GHz 1.00GHz 1.60GHz
最大動作周波数 4.20GHz 3.60GHz 3.90GHz
キャッシュメモリー 6MB 6MB 6MB
対応メモリー DDR4-2666, LPDDR3-2133 DDR4-3200, LPDDR4-3733 DDR4-2400, LPDDR3-2133
TDP 15W 15W 15W
内蔵グラフィックス Intel UHD Graphics Intel UHD Graphics Intel UHD Graphics 620
4Kサポート 60Hz 120Hz 60Hz
パッケージサイズ 26 × 24mm 50 × 25mm 46 × 24mm

 

Core i5-10210UとCore i5-8265Uでは最大動作周波数と対応するメモリーの規格が若干異なる程度です。パフォーマンス的には微増というところでしょうか。機種 / 個体差によっては変わらない、あるいはパフォーマンスが低下する可能性があります。

 

Ice LakeのCore i5-1035G1は動作周波数は下がっているものの、製造プロセサスやCPUコアが変わっているため逆にパフォーマンスは向上すると思われます。4Kのリフレッシュレートやメモリー規格などが微妙にCore i5-10210Uを上回っていることから、こちらのほうが位置づけ的には上位なのかもしれません。

 

ちなみに第10世代ではCPU内蔵のグラフィックス機能が「Intel UHD Graphics」という名称に変更されました。末尾の数字が廃止されたわけですが、次世代以降でも同じ名称が使われるのか気になるところです。

Core i5-10210Uのベンチマーク結果

続いて、当サイトで実施したCPUベンチマークテストの結果を紹介します。なおベンチマーク結果は各機種の平均値であり、Core i5-10210U本来の性能を正確に表わすものではありません。また結果はパーツ構成やタイミング、環境、個体差などにより大きく変わることがあることをあらかじめご了承ください。

一般ノートPC向けCPUとの比較

CPUの総合的な計算性能を計測するベンチマークテストを試したところ、Core i5-10210Uは前世代のCore i7-8565Uを上回る優れた結果となりました。スタンダードノートPC / モバイルノートPCとしては、非常に優秀な結果です。

 

ただしベンチマークテストは機種の構造や個体差によって結果が大きく変わることがあり、一概にこの結果がすべてあるとは言えません。またCore i7-8565Uの結果にも上下でバラツキがあるので、すべてのCore i7搭載機種よりも優れているわけではない点に注意してください。

 

CPUの性能比較(総合性能)

CPU PassMark CPU Markスコア
Core i5-10210U
9754
Core i7-8565U
9699
Core i7-8550U
9009
Core i5-8265U
8851
Ryzen 5 3500U
8369
Core i5-8250U
8385
Core i7-7500U
5564
Core i3-8145U
5549
Core i5-7200U
4949
Celeron N4000
1553

※スコアは当サイト計測値の平均

 

ゲームや動画編集などに影響するマルチコア性能はCINEBENCH R20で計測しています。ちょっと控えめな結果となりましたが、おそらく検証機の冷却性能が影響しているのかもしれません。重い処理では、従来のCore i5とあまり変わらない可能性があります。

 

CPUの性能比較(マルチコア性能)

CPU CINEBENCH R20 CPUスコア
Ryzen 5 3500U
1430
Core i7-8565U
1322
Core i5-8265U
1277
Core i5-8250U
1272
Core i5-10210U
1263

※スコアは当サイト計測値の平均

ゲーミングノートPC向けCPUとの比較

ゲーミングノートPCやクリエイター向けノートPCで使われるHシリーズと比較すると、総合性能ではそれほど悪くはありません。さすがに上位CPUには及ばないものの、2年前のCore i7-7700HQや現行世代のCore i5-9300H相当のパフォーマンスです。

 

CPUの性能比較 (総合性能)

CPU PassMark CPU Markスコア
Core i7-9750H
14678
Core i7-8750H
13244
Core i5-9300H
10344
Core i5-10210U
9754
Core i5-8300H
9697
Core i7-7700HQ
9301

※スコアは当サイト計測値の平均

 

ただしゲームや動画編集などの重い処理に影響するマルチコア性能では、ゲーミングノートPC向けCPUには及びませんでした。ゲームやクリエイティブな用途には、やはりHシリーズのほうが有利です。

※CINEBENCH R20のデータが少ないため、比較用にR15の結果も掲載しています

 

CPUの性能比較 (マルチコア性能)

CPU CINEBENCH R20 CPUスコア
Core i7-9750H
2675
Core i7-8750H
2215
Core i5-9300H
1947
Core i5-10210U
1263

※スコアは当サイト計測値の平均

 

CPUの性能比較 (マルチコア性能)

CPU CINEBENCH R15 CPUスコア
Core i7-9750H
1260
Core i7-8750H
1117
Core i5-9300H
851
Core i5-8300H
761
Core i7-7700HQ
724
Core i5-10210U
641

※スコアは当サイト計測値の平均

 

デスクトップPC向けCPUとの比較

ノートPCよりも性能の高いデスクトップPC向けCPUと比較すると、総合的な計算性能ではCore i5-10210UはCore i3以上Core i5未満といったところです。パフォーマンス的には悪くはありません。

 

CPUの性能比較(総合性能)

CPU PassMark CPU Markスコア
Core i9-9900K
18710
Core i7-9700K
17208
Core i7-8700
15412
Core i5-9400F
12043
Core i5-8400
11229
Core i5-10210U
9754
Core i3-9100
8784
Core i3-8100
8026

※スコアは当サイト計測値の平均

 

しかしマルチコア性能ではCore i3よりも劣ります。このあたりはPC本体の冷却性能やCPUの消費電力も影響しているでしょう。重い処理を行なうなら、デスクトップPCのほうが有利です。

 

CPUの性能比較(マルチコア性能)

CPU CINEBENCH R20 CPUスコア
Core i7-9700K
3326
Core i7-8700
3009
Core i5-9400F
2334
Core i3-9100
1592
Core i5-10210U
1263

※スコアは当サイト計測値の平均

Core i5-10210Uのグラフィックス性能

Core i5-10210Uに内蔵されているIntel UHD Graphicsは、スペック的には前世代のCore i5-8265UのIntel UHD Graphics 620と変わりません。3D性能を計測するベンチマークテストでも、ほぼ同じレベルの結果となりました。グラフィックス性能については、パフォーマンスは据え置きと考えて良さそうです。

 

GPUの性能比較

GPU 3DMark Fire Strike Graphicsスコア
GTX 1650
9039
GTX 1050
5858
MX250
3595
MX150
3385
UHD 620 (Core i7)
1270
UHD (Core i5-10210U)
1204
UHD 620 (Core i5)
1186
UHD 620 (Core i3)
860
UHD 600
394

※スコアは当サイト計測値の平均

Core i5-10210U搭載機種ごとの違い

当サイトでは2019年9月までに、Core i5-10210U搭載モデルを1機種のみ検証しています。検証数が少ないため、データの精度は高くありません。そのため、現時点ではとりあえずの暫定データとして考えてください。今後検証機種が増えれば、データを更新します。

 

Core i5-10210U搭載機別のベンチマーク結果

機種名 CINEBENCH R20 CPU Mark サイズ
IdeaPad S540 (14,第10世代インテル) 1263 9754 14インチ

 

見つかりませんでした | こまめブログ
PCやガジェットのお買い得情報をお届け

 

今後の主流はコレ

前述のとおり、これからの薄型 / 小型ノートPCではComet Lake世代のCPUが主流になると思われます。なかでもCore i5-10210Uは多くの機種で使われるでしょう。性能的には十分なレベルで、ビジネスや日常的な作業などにはピッタリです。

 

ただし動画編集やゲームなどの重い処理には向いていません。不可能ではないのですが、本格的な作業にはパワー不足です。快適さを求めるのであればIce Lake世代のCPUや、Cannon Lake世代のHシリーズを搭載したモデルを選んだほうがいいでしょう。

 

当サイトでは2~3万円台の格安ノートPCから高性能ノートPCまで、さまざまな最新モデルを検証・解説しています。記事の更新情報は当サイトのtwitterアカウントでお知らせするので、フォローしていただくことをおすすめします。

見つかりませんでした | こまめブログ
PCやガジェットのお買い得情報をお届け
記事を書いた人
こまめブログ

元雑誌・書籍編集者からPC系フリーライターを経て、レビューブロガーとして活動しているオジサンです。文章に関わる仕事を始めてから25年以上。最高195万PV/月。安いガジェットやPCをよく買いあさっています

こまめブログをフォローする
CPU
こまめブログをフォローする
こまめブログ
タイトルとURLをコピーしました