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Core i7-1065G7のベンチマーク (性能テスト) 結果

Core i7-1065G7のベンチマーク (性能テスト) 結果

インテルのCore i7-1065G7は、2019年8月に発表されたノートPC向けのCPUです。2019年9月以降発売のスタンダードノートPC / モバイルノートPCのうち、特にクリエイティブな用途を意識したモデルで使われています。

 

Core i7-1065G7のスペック

世代 第10世代
開発コード Ice Lake
コア数 / スレッド数 4 / 8
動作周波数 1.30GHz
最大動作周波数 3.90GHz
TDP 15W
内蔵グラフィックス Intel Iris Plus Graphics

 

一般用途向けのノートPCで使われているCPUのなかでは、第10世代のCore i7-10710Uに次ぐ性能です。当サイト計測のベンチマークテストでは、前世代のCore i7-8565Uからスコアが約21%程度アップしています。

 

Core i7-1065G7のベンチマークスコア

CPU PassMark CPU Markスコア
Core i7-10710U
13244
Core i7-1065G7
11872
Core i7-10510U
11309
Core i7-8565U
9814
Core i7-8550U
9009
Core i7-7500U
5564

※スコアは当サイト計測値の平均

 

CPU性能の向上もさることながら、内蔵のグラフィックス性能も大きくパワーアップしました。詳しくは後述しますが、3D性能を計測するベンチマークテストでは前世代のCore i7-8565Uに比べて2倍以上のスコアが出ています。そのぶんゲームの動きが (多少)なめらかになり、動画編集などのクリエイティブな用途でも有利です。

 

Core i7-1065G7の用途

gameゲーム
動画編集動画編集
RAW現像RAW現像
3D制作3D制作
デザインデザイン
イラストイラスト
DTMDTM
ビジネスビジネス

※ノートPC向けCPUとしての評価

 

この記事ではこれからノートPCを購入しようとしている方のために、Core i7-1065G7の性能について紹介します。

 

Core i7-1065G7概要

※ここではCPUのやや専門的な内容について解説しています。CPUの背景に興味のない方は読み飛ばしてもOKです。

第10世代Ice Lakeの最上位CPU

インテルのCore i7シリーズは、ノートPC向けCPUのなかでCore i5に次いで人気の高いCPUです。各機種のラインナップなかでも上位モデルで使われることが多く、性能面を重視する人に選ばれています。

 

Core iプロセッサーの種類

Core i3
(下位)
計算性能よりも価格の安さを重視
Core i5
(中位)
性能と価格のバランスを重視
Core i7、i9
(上位)
とにかく性能重視

 

2019年前半までは、第8世代 (Whisky Lake)のCore i7-8565Uがよく使われてきました。スタンダードノートPC / モバイルノートPC向けとしては第9世代を飛ばして、第10世代が2019年夏移行にリリースされたわけです。さらに第10世代のCore i7には、開発コードに応じて3種類のグループに分類されています。

 

第10世代Core i7の種類

開発コード 概要 主なCPU
Ice Lake 新機軸の10nmプロセスでCPUコアも刷新。機械学習性能やグラフィックス性能を強化 Core i7-1065G7
Comet Lake 従来と同じ14nmプロセスでありながら、パッケージサイズが大幅に小型化 Core i7-10510U
Core i7-10710U
Amber Lake-Y ファンレスPCやタブレットPC向けの省電力版。製造プロセスは14nm Core i7-10510Y

 

今回取り上げるCore i7-1065G7は、開発コードIce Lakeに分類されています。2020年1月時点では、ほかのCPUに比べてグラフィックス性能が高い点が特徴です。ゲームやクリエイター向けソフトなどの用途に向いています。

Core i7-1065G7とCore i7-10510Uの違い

薄型 / 小型ノートPCでは、Comet LakeのCore i7-10510Uが使われている場合があります。Core i7-10510Uは第8世代のCore i7-8565Uとスペック的にあまり変わりません。「Whisky Lake Refresh」的な後継CPUと考えていいでしょう。

 

Core i7-1065G7とCore i7-10510Uの大きな違いは、内蔵のグラフィックス機能が異なる点です。技術的にはCPUコアが異なる点がもっとも重要なのですが、体感的にはグラフィックス性能が異なるという点を理解しておけばいいでしょう。Core i7-1065G7で使われているIris Plus Graphicsのほうが従来のUHDシリーズよりも高性能です。

 

Core i7-1065G7とCore i7-10510U / Core i7-8565Uの違い

Core i7-1065G7 Core i7-10510U Core i7-8565U
発表日 2019年8月 2019年5月 2018年8月
世代 第10世代 第10世代 第8世代
開発コード Ice Lake Comet Lake Whisky Lake
製造プロセス 10nm 14nm 14nm
コア数 / スレッド数 4 / 8 4 / 8 4 / 8
動作周波数 1.30GHz 1.80GHz 1.80GHz
最大動作周波数 3.90GHz 4.90GHz 4.60GHz
キャッシュメモリー 8MB 8MB 8MB
TDP 15W 15W 15W
内蔵グラフィックス Intel Iris Plus Graphics Intel UHD Graphics Intel UHD Graphics 620

Core i7-1065G7のベンチマーク結果

続いて、当サイトで実施したCPUベンチマークテストの結果を紹介します。なおベンチマーク結果は各機種の平均値であり、Core i7-1065G7本来の性能を正確に表わすものではありません。また結果はパーツ構成やタイミング、環境、個体差などにより大きく変わることがあることをあらかじめご了承ください。

一般ノートPC向けCPUとの比較

CPUの総合的な計算性能を計測するベンチマークテストを試したところ、Core i7-1065G7は非常に優れた結果が出ました。一般用途向けのスタンダードノートPC / モバイルノートPCで使われているCPUとしては非常に優秀な結果です。このCPUを搭載したノートPCでは、高いパフォーマンスを期待していいでしょう。

 

前世代のCore i7-8565Uと比べると、スコアでは約21%上回っています。4年前のCore i7-7500U (Kaby Lake)なら2倍以上の差です。4年以上前のPCを使っているなら、買い替えを検討したほうがいいかもしれません。

 

CPUの性能比較(総合性能)

CPU PassMark CPU Markスコア
Core i7-10710U
13244
Core i7-1065G7
11872
Core i5-1035G4
11379
Core i7-10510U
11309
Core i5-10210U
9988
Core i7-8565U
9814
Core i5-1035G1
9164
Core i7-8550U
9009
Core i5-8265U
8593
Ryzen 5 3500U
8447
Core i7-7500U
5564
Core i3-8145U
5549
Core i3-10110U
5534

※スコアは当サイト計測値の平均

 

ゲームや動画編集などに影響するマルチコア性能については、前世代のCore i7-8565Uから約16%程度スコアアップしています。6コア / 12スレッドのCore i7-10710Uには及びませんが、一般用途向けノートPCのCPUとしては非常に優れた性能です。

 

CPUの性能比較(マルチコア性能)

CPU CINEBENCH R20 CPUスコア
Core i7-10710U
2137
Core i5-1035G4
1649
Core i7-1065G7
1603
Core i7-10510U
1602
Core i7-8565U
1383
Ryzen 5 3500U
1382
Core i5-1035G1
1370
Core i5-10210U
1338
Core i5-8265U
1217
Core i3-10110U
950
Core i3-8145U
769

※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均

ゲーミングノートPC向けCPUとの比較

ゲーミングノートPCやクリエイター向けノートPCで使われるより高性能なHシリーズと比較しても、総合性能ではそれほど悪くはありません。さすがに8コアのCore i9には及ばないものの、ゲーミングノートPCでよく使われるCore i7-9750Hの約24%減程度のパフォーマンスです。しかも安いゲーミングノートPCで使われるCore i5-9300Hをスコアで上回っています。

 

CPUの性能比較 (総合性能)

CPU PassMark CPU Markスコア
Core i9-9880H
18515
Core i9-9980HK
17991
Core i7-9750H
14833
Core i7-8750H
13244
Core i7-1065G7
11872
Core i5-9300H
10234
Core i5-8300H
9697

※スコアは当サイト計測値の平均

 

ただしゲームや動画編集などの重い処理に影響するマルチコア性能では、下位のゲーミングノートPC向けであるCore i5-9300Hには及びませんでした。また第10世代 (Comet Lake)で6コアのCore i7-10710Uのほうが高いスコアが出ています。ゲームや動画編集などではやはりHシリーズか、Core i7-10710U+外部GPUを搭載したモデルのほうが有利です。

 

CPUの性能比較 (マルチコア性能)

CPU CINEBENCH R20 CPUスコア
Core i9-9980HK
3558
Core i9-9880H
3402
Core i7-9750H
2714
Core i7-8750H
2625
Core i7-10710U
2137
Core i5-9300H
1922
Core i7-1065G7
1603

※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均

デスクトップPC向けCPUとの比較

ノートPCよりも性能の高いデスクトップPC向けCPUと比較すると、総合的な計算性能では第9世代のCore i5相当です。デスクトップPC向けCPUでは中位クラスですが、パフォーマンス的には悪くありません。むしろ優れているほうです。

 

CPUの性能比較(総合性能)

CPU PassMark CPU Markスコア
Core i9-9900K
19867
Core i7-9700K
17208
Core i7-9700F
17034
Core i7-9700
16409
Core i7-8700
15412
Core i7-9700T
12558
Core i5-9400F
12043
Core i7-1065G7
11872
Core i5-9400
11392
Core i5-8400
11229
Core i3-9100
8784
Core i3-8100
8027

※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均

 

しかしマルチコア性能ではCore i3相当の結果でした。このあたりは消費電力なども影響しているので仕方がないでしょう。単純にCPU性能だけで考えるのであれば、動画編集などの重い処理にはデスクトップPC向けのCore i5以上のほうが有利です。

 

CPUの性能比較(マルチコア性能)

CPU CINEBENCH R20 CPUスコア
Core i9-9900K
4278
Core i7-9700K
3326
Core i7-9700
3190
Core i7-9700F
3084
Core i7-8700
3026
Core i7-9700T
2377
Core i5-9400F
2334
Core i5-9400
2315
Core i7-1065G7
1603
Core i3-9100
1592

※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均

Core i7-1065G7のグラフィックス性能

Core i7-1065G7では内蔵グラフィックス機能 (iGPU)として、Intel Iris Plus Graphicsが使われています。ゲーム / クリエイティブ用途を含めたノートPC向けGPU全体で見ると、スコアはかなり低めです。エントリー (入門)向けのGTX 1050 / 1650に比べても、スコアが大きく下回っています。

 

GPUの性能比較

GPU 3DMark Fire Strike Graphicsスコア
RTX 2080
23762
RTX 2080 Max-Q
20066
RTX 2070
19807
RTX 2070 Max-Q
17933
GTX 1070
16999
RTX 2060
14945
GTX 1070 Max-Q
14684
GTX 1660 Ti
14392
GTX 1060
11442
GTX 1650
8689
GTX 1050
6008
MX250
3711
MX150
3386
Iris Plus (Core i7-1065G7)
2846

※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均

 

ただし、CPU内蔵のグラフィックス機能としては非常に高性能です。同じ第10世代でもComet LakeのCore i7-10710UやCore i7-10510UのUHD Gprahicsを大きく上回っています。ゲーミングノートPC / クリエイター向けノートPCほどではありませんが、ゲームやクリエイター向けソフトで効果があるでしょう。

 

GPU 3DMark Fire Strike Graphicsスコア
Iris Plus(Core i7-1065G7)
2846
Radeon Vega 8 (Ryzen 5)
2344
Iris Plus(Core i5)
2136
UHD (Ice Lake Core i5)
1396
UHD (Comet Lake Core i7)
1331
UHD 620 (Core i7)
1265
UHD (Comet Lake Core i5)
1263
UHD 620 (Core i5)
1186
UHD 620 (Core i3)
975

※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均

Core i7-1065G7のゲーム性能

当サイトで計測したCore i7-1065G7搭載機種のなかで3Dグラフィックス性能のベンチマーク結果がもっとも低かったHP Spectre x360 13-aw0000 (スコア「2848」)でも、軽いゲームであれば快適に楽しめるとの評価が出ています。ドラクエ10やリーグ・オブ・レジェンド、PSO2、PUBG LITEなどのゲームであれば、問題なく楽しめるでしょう。

 

FF14では標準品質で「快適」という評価ですが、実際のところはかなりカクつきが目立つはずです。処理がやや重い中量級のゲーム (フォートナイトやPUBG、エーペックスレジェンズなど)については、解像度や画質をかなり落とす必要があります。重めのゲームについては期待しないほうがいいかもしれません。

※テストはフルHDで実施

FF14ベンチ:漆黒のヴィランズ (中量級 / DX11)

FF14ベンチ
画質 スコア / 評価 / 平均FPS
最高品質 1867 / 設定変更を推奨 / 12.7 FPS
高品質 2411 / 普通 / 16.5 FPS
標準品質 3964 / 快適 / 26.7 FPS

※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安

ドラクエXベンチ (超軽量級 / DX9)

ドラクエXベンチ
画質 スコア / 評価
最高品質 5992 / 快適
標準品質 8859 / とても快適
低品質 11480 / すごく快適

Core i7-1065G7搭載機種ごとの違い

当サイトでは2020年1月までに、Core i7-1065G7搭載モデルを6機種検証しています。検証数は多くありませんが、ある程度は参考になるはずです。今後検証機種が増えれば、データを更新します。

 

Core i7-1065G7搭載機別のベンチマーク結果

機種名 CINEBENCH R20 CPU Mark サイズ
Surface Pro 7 1710 12549 12.3インチ
Surface Laptop 3 1826 12694 13.5インチ
HP Spectre x360 13 1404 12581 13.3インチ
Inspiron 15 5593 1560 11371 15.6インチ
Inspiron 13 7391 1456 9756 13.3インチ
XPS 13 2in1 1659 12280 13.5インチ

※製品名クリックでレビューをご覧いただけます

軽量ノートPCをクリエイティブ用途で使いたい人向け

ベンチマーク結果をご覧いただければおわかりのとおり、Core i7-1065G7は特に内蔵グラフィックス性能の高さが目立ちます。GPUサポート機能を搭載したクリエイター向けソフトで効果が感じられるでしょう。GTX / RTXシリーズなどの外部GPUを搭載した機種ほどではありませんが、軽くて薄いノートPCをクリエイティブな用途で使いたい人に向いています。

 

ネットの調べ物や文書作成、ファイル管理、会社の事務処理中心であれば、Core i7-10510U搭載機種でも十分です。2020年1月時点ではCore i7-1065G7搭載機のほうが値段が高い傾向にあります。用途に応じて最適なノートPCを選んでください。

 

当サイトでは2~3万円台の格安ノートPCから高性能ノートPCまで、さまざまな最新モデルを検証・解説しています。記事の更新やお買い得情報を当サイトのtwitterアカウントで発信していますので、ぜひフォローをよろしくお願いします。

 

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こまめブログ

元雑誌・書籍編集者からPC系フリーライターを経て、レビューブロガーとして活動しているオジサンです。文章に関わる仕事を始めてから25年以上。最高195万PV/月。安いガジェットやPCをよく買いあさっています

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