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Intel HD Graphics 520の性能は? Intel HD Graphics 5500やGeForceシリーズとベンチマークで比較!

HD-Graphics-520

 

Skylake世代のCore iプロセッサーUシリーズには、グラフィックス機能としてIntel HD Graphics 520が内蔵されています。この内蔵グラフィックス機能(iGPU)が実際にどれくらいの性能を持っているのか、ベンチマーク結果を交えながら解説します。

Intel HD Graphics 520を内蔵するCPU

 

Intel HD Graphics 520は、Skylakeこと第6世代Core プロセッサーのなかでもモバイルノートPC向けの「Uシリーズ」に搭載されています。該当するCPUは、以下の5種類です。なおこのラインナップは記事執筆時(2016年6月上旬)のもので、今後新しいCPUがリリースされれば変わる可能性があります。

 

Intel HD Graphics 520を搭載するCPU

  • Core i7-6600U
  • Core i7-6500U
  • Core i5-6300U
  • Core i5-6200U
  • Core i3-6100U

 

これらのCPUのグラフィックス機能はほぼ同じですが、グラフィックス最大動作周波数が異なるため、すべて同じ性能というわけではありません。動作周波数が高くなるほど、性能も向上します。また内蔵グラフィックス機能はメインメモリーの一部をビデオメモリーとして利用するため、本体に搭載されているメモリー容量が大きいほどパフォーマンスが向上します。

 

各CPUにおけるIntel HD Graphics 520の性能の違い
Core i7-6600U
Core i7-6500U
Core i5-6300U
Core i5-6200U
Core i3-6100U
グラフィックス機能 Intel HD Graphics 520
グラフィックス
動作周波数
300MHz
グラフィックス
最大動作周波数
1.05GHz 1.05GHz 1GHz

 

Core i7-6500U(左)とCore i7-6600U(右)のIntel HD Graphics 520詳細情報。性能は同じですが、本体に搭載されているメインメモリーによって

Core i5-6200U(左)とCore i7-6600U(右)のIntel HD Graphics 520詳細情報。性能はほぼ同じですが、本体に搭載されているメインメモリーによって、わずかな差がでていることがわかります

Intel HD Graphics 5500との違い

 

Skylakeの前世代にあたるBroadwell世代のCore iプロセッサーUシリーズでは、内蔵グラフィックス機能としてIntel HD Graphics 5500が搭載されていました。520と5500では数字が大きいほうが高性能なイメージを持つかもしれませんが、性能的には数の少ない520のほうが上です。

 

Intel HD Graphics 520とIntel HD Graphics 5500の主な違い
Intel HD Graphics 520 Intel HD Graphics 5500
動作周波数 300MHz(最大1~1.05GHz) 300MHz(最大850~950MHz)
GPUコア GT2 GT2
最大FLOPS 384G(Core i3/Core i5)、403G(Core i7) 312~364G
メモリー帯域 34.1GB/秒 25.6GB/秒
DirectX 12対応 11.2対応
OpenGL 4.4対応 4.3対応

 

Core i7-6200U(左)のIntel HD Graphics 520と、Core i7-5500U(右)のIntel HD Graphics 5500

Core i7-6200U(左)のIntel HD Graphics 520と、Core i7-5500U(右)のIntel HD Graphics 5500

 

Intel HD Graphics 520とIntel HD Graphics 5500のベンチマーク結果は、以下の表のとおりです。スペック上では性能アップしているとは言うものの、スコアにそれほど大きな違いが出ていないことがわかります。

 

Intel HD Graphics 520とIntel HD Graphics 5500のベンチマーク結果

Intel HD Graphics 520とIntel HD Graphics 5500のベンチマーク結果

 

ここで、同じIntel HD Graphics 520でもスコアに差が出ている点に注目してください。これは15.6型のThinkPad E560(上)と12.5型のThinkPad X260(中)によるものです。ベンチマーク結果はタイミングによって大きく変わることもあるのですが、おそらく内部の発熱による影響が出ているのではないかと思われます。

 

15.6型のスタンダードノートPCは筐体が大きく、そのぶん内部に熱がこもりにくくなっています。それに対してモバイル向けの12.5型では熱を抑えるために、CPU(内蔵グラフィックス機能)の動作周波数を頻繁に調整します。パーツ的にはThinkPad X260のほうが高性能なのですが、もしかしたら熱による影響が出ているのかもしれません。その結果として、前世代のIntel HD Graphics 5500と変わらないスコアになっている可能性があります。なおIntel HD Graphics 5500のスコアは13.3型ノートPCによるもので、モバイル向けではあるものの、ある程度は熱に余裕のある設計になっているのかもしれません。

 

以上のように、Intel HD Graphics 520はIntel HD Graphics 5500よりもスペック面では優れているものの、条件によってはそれほど変わらない可能性があると言えます。

外付けGPUとの性能差は?

 

続いて、外付けGPU(ディスクリートGPU、またはdGPU)との性能差について見てみましょう。今回はノートPC向けの外付けGPUと比較していますが、タイミングや条件によってスコアが大きく変わる可能性があることを、あらかじめご了承ください。

 

Intel HD Graphics 520とそのほかのGPUとの性能差

Intel HD Graphics 520とそのほかのGPUとの性能差

 

ゲーム用のGTX 900Mシリーズと比べると、3倍以上の差がでる結果となりました。3D性能面ではかなり劣るものの、GTX 900Mシリーズを搭載したノートPCは必然的に本体が大きく&重くなりますので、モバイル用途には向いていません。ゲーム用途を考えなければ、Intel HD Graphics 520を搭載するSkylake世代のCore i Uシリーズでもまったく問題ないと言えます。

ゲーム系ベンチマークの結果をチェック

 

ではIntel HD graphics 520はまったくゲームができないのかというと、そんなことはありません。比較的処理が軽いブラウザーゲームや2D描画主体のゲームはストレスなく楽しめますし、中規模クラスの3Dゲームでも解像度や画質を調整することで遊べるレベルにはなります。そこでここからは、Intel HD Graphics 520を利用するノートパソコンでのゲーム系ベンチマークの結果を紹介します。

 

なお今回の結果については、15.6型のThinkPad E560(Core i5-6200U、8GBメモリー)と12.5型のThinkPad X260(Core i7-6500U、8GBメモリー)のものを利用しています。

ドラクエ10ベンチマーク結果

ドラクエ10ベンチマーク結果
15.6型スタンダードノートPC 12.5型モバイルノートPC
1280×720ドット、標準品質 5674(快適) 7392(とても快適)
1280×720ドット、最高品質 4930(普通) 6205(快適)
1920×1080ドット、標準品質 3949(普通) 4113(普通)
1920×1080ドット、標準品質 3077(普通) 3120(普通)

 

「ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン(ドラクエ10)」の快適さを計測する「ドラゴンクエストXベンチマークソフト」では、Core i7-6500Uを搭載するThinkPad X260のほうで優れた結果が出ています。このベンチマークはほかに比べてCPU性能が強く影響するので、このような結果になったのかもしれません。とは言え、快適にプレーするなら1280×720ドットの標準画質が上限というところでしょう。

FF14ベンチマーク結果

FF14ベンチマーク結果(DirectX 9)
15.6型スタンダードノートPC 12.5型モバイルノートPC
1280×720ドット、
標準品質(ノートPC)
4661(快適) 4369(快適)
1280×720ドット、
高品質(ノートPC)
3233(やや快適) 2864(やや快適)
1280×720ドット、
最高品質
2280(普通) 2131(普通)
1920×1080ドット、
標準品質(ノートPC)
2629(やや快適) 2396(普通)
1920×1080ドット、
高品質(ノートPC)
3077(普通) 1505(設定変更を推奨)
1920×1080ドット、
最高品質
1708(設定変更を推奨) 1102(設定変更が必要)

 

「ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド ベンチマーク」では、上記の表のような結果となりました。グラフィックス性能が大きく影響するゲームでは、やはり大きな筐体で熱設計に優れるモデルのほうが有利なようです。

 

また快適なプレーを楽しむなら、1280×720ドットの標準画質が最適という結果となりました。1920×1080ドットのフルHDでも遊ぶことは可能ですが、シーンによっては動きがカクついたり、処理が重くなったりするかもしれません。

息抜き程度のライトなプレーなら問題なし

 

ということで、今回はIntel HD Graphics 520の性能について解説しました。日常的な作業ではまったく問題ないものの、ゲームをとことん楽しむには厳しいかもしれません。1280×720ドットの解像度でライトに遊ぶ程度がおすすめです。あくまでもゲームを楽しみたいのであれば、外付けGPUを搭載したモデルを選んでください。

 

なお今回の検証に利用したThinkPad E560については、下記のレビュー記事をご覧ください。

 

 

またゲーム用GPUを搭載したモデルのレビュー記事も掲載しています。

 

 

記事を書いた人
こまめブログ

元雑誌・書籍編集者からPC系フリーライターを経て、レビューブロガーとして活動しているオジサンです。文章に関わる仕事を始めてから25年以上。最高195万PV/月。安いガジェットやPCをよく買いあさっています

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