キヤノンから発表された個人向けインクジェット複合機のミドルレンジモデル「PIXUS MG6930(以下、MG6930)」。標準価格は2万4800円(税別)で、2015年9月3日に発売予定です。今回はこのMG6930と、2014年に発売された前モデル「PIXUS MG6730」との違いについて解説します。
MG6930とMG6730のスペックを比較
新モデルMG6930と旧モデルMG6730のスペックを比べてみると、フラグシップモデルのMG7730とMG7530と同様、機能的にはほとんど変わりません。ただしMG6930は上位モデルのMG7730と同じ本体デザインを採用したこともあり、横幅が31mm縮小しています(奥行きは1mm増加)。
MG6930とMG6730の主なスペック | ||
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商品名 | MG6930 | MG6730 |
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発売日 | 2015年9月3日 | 2014年9月4日 |
価格(税別) | 2万4800円 | 2万3800円 |
液晶サイズ | 3.0型 | |
印刷解像度 | 9600×2400dpi | |
ノズル | 合計6656 | |
インクシステム | 6色独立(染料ブラック、シアン、マゼンダ、イエロー、グレー、顔料ブラック) | |
インク滴 | 1pl | |
両面印刷 | 対応 | |
給紙容量(A4用紙) | 下段最大125枚 | |
最小用紙サイズ | L判 | |
最大用紙サイズ | A4 | |
レーベルプリント | 対応 | |
USB端子 | 1(ダイレクトプリント非対応) | |
有線LAN | – | |
無線LAN | IEEE802.11b/g/n | |
メモリーカードスロット | SD/SDHC/MS Duo/MS PRO Duo | |
赤外線通信 | – | |
Wi-Fi Direct | 対応 | |
消費電力 | 13W | 16W |
幅(mm) | 435 | 466 |
奥行き(mm) | 370 | 369 |
高さ(mm) | 148 | |
重量 | 7.9kg | 8.0kg |
カラーバリエーション | ホワイト、ブラック | |
印刷速度(A4フチなし写真カラー印刷) | 44秒 | |
印刷速度(L判写真印刷) | 18秒 | |
印刷速度(A4モノクロ文書) | 15.0ipm(1枚あたり4秒) | |
印刷コスト(L判カラー) | 約15.8円(大容量インク)/約22.6円(標準) | 約15.5円(大容量インク)/約20.9円(標準) |
印刷コスト(A4カラー文書) | 約8.9円(大容量インク)/約13.2円(標準) | 約8.6円(大容量インク)/約12円(標準) |
スキャナー解像度 | 2400×4800dpi | |
ADF | 非搭載 | |
対応インク | BCI-371(染料インク)/BCI-370(顔料インク)、BCI-371XL(染料インク)/BCI-370XL(顔料インク) | BCI-351(染料インク)/BCI-350(顔料インク)、BCI-351XL(染料インク)/BCI-350XL(顔料インク) |
インク価格(6色マルチパック、税別) | 6980円(大容量)/4980円(標準) | 6648円(大容量)/4458円(標準) |
デザイン面では、フロントカバーと操作パネルの周囲が光沢仕様になっています(前モデルでは非光沢仕様)。また重量が100g減っているほか、インクカートリッジがリニューアルされたのに伴い、印刷コストもわずかに上昇しました。インクについては上位モデルのMG7730と同じで、印刷品質が向上しています。なおインクの改善点については、 関連記事をご覧ください。
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NFC搭載で「PIXUSタッチ」に対応
前モデルとの違いとしてもう1点、NFCに対応した点が挙げられます。2014年発売モデルではフラグシップモデルの「PIXUS MG7530」にしか搭載されていませんでしたが、2015年モデルでは上位機種と中位機種で対応しました。
NFC搭載のPIXUSでは、NFC対応のスマートフォンやタブレットからワンタッチでプリントできる「PIXUSタッチ」が利用できるようになります。専用アプリ「Canon PRINT Inkjet」を使うことで、写真や文書をより手軽に印刷することが可能です。
NFC対応のスマートフォンやタブレットを操作パネル右側のNFCポートかざすだけで、写真や文書をプリントしたり文書をスキャンすることが可能です ※出典元:キヤノン
中位モデルとしてのバリューは上がっている
ソフトウェア面では新アプリ「Canon PRINT Inkjet」に対応するほか、クラウドストレージと連携できる「PIXUS クラウドリンク」が「Instagram」に対応したのは上位モデルと同じです。前モデル比べて、インクジェット複合機としての基本性能に変わりはありません。
しかし本体サイズが小型化され、さらにNFCに対応したことで、変化に乏しい上位モデルと比べ相対的に中位モデルとしての価値は向上したと言えるでしょう。価格は1000円値上がりし印刷コストもわずかに上昇していますが、アップグレード面を考えれば納得できる範囲だと思います。
ちなみに上位モデルとの違いは「インテリジェントタッチシステム」(次の操作を操作パネルのLEDボタンで知らせる機能)と有線LANに非対応である点です。これらが不要であれば、MG6930を選ぶ価値はあります。