最近は消費電力の低いPCや周辺機器を扱う機会もあり、ワットチェッカーがあるといいかなと考えていました。しかし一般的なワットチェッカーで消費電力の最大値を調べるには、テスト中じっと見つめていなければなりません。そこで計測結果をログとして保存できるワットチェッカーについて調べてみました。
※この記事は2015年2月時点での情報を元にしています。現在の価格とは異なる場合があるので、ご注意ください
ワットチェッカーの計測データをPCで扱いたい
今回選ぶワットチェッカーの利用目的は、あくまでもレビュー用です。5分~1時間程度のあいだ消費電力を計測し、その最大値を求めるために利用します。
いま人気のあるワットチェッカーは2000~3000円程度で、消費電力を1秒間隔のリアルタイムで確認できるものの、データとして記録することができません。そのため、このタイプで最大消費電力を調べるには、テストのあいだずっとチェックする必要があるのです。たとえばAmazonでもっとも人気の高いものはサンワサプライの「ワットモニター TAP-TST8」ですが、ボタンを押したときしか消費電力を計測できません。
調べてみたところ、計測データを一定時間記録してPCに転送できるワットチェッカーがいくつか見つかりました。そのなかから今回は、比較的安く購入できるモデルを4機種選んでいます。
Bluetoothワットチェッカー REX-BTWATTCH1
結論から言ってしまうと、ラトックシステムのREX-BTWATTCH1を購入しました。PCレビューの消費電力を計測する際に、以下のように使っています。
まずなにが素晴らしいかというと、消費電力や電流、電圧が1秒単位で(ほぼ)リアルタイムに更新される点です。そのデータをPCまたはスマホ/タブレットのアプリで確認することができます。特にスマホで確認できるのは超便利!
計測データはBluetooth経由でスマホアプリにリアルタイムに送信されます
データはCSV形式で保存可能です。スマホアプリなら保存したファイルをPCに転送すれば、エクセルで確認したりグラフにまとめたりもできます。ただしログに記録する間隔は1時間ごとですので、実際にこの機能はほとんど使っていません。
計測データをリセットするにはBluetooth接続をオフにする必要がありますが、それほど面倒ではありません。ただ一定時間の平均消費電力を取得するには、ちょっとした計算が必要です。
たとえば1分ごとに消費電力量がWh(ワットアワー)で表示されるため、消費電力(W)の平均値を出すには1分間の消費電力量を0.01666666……(1/60)で割る必要があります。まあ、あまりこういう使い方をする人はいないと思いますが。
また、たまに1分よりも短い時間で消費電力量が表示されることもあります。逆に1分以上たっているのに、表示されないこともありました。ただそんなデータでも、大きなズレはないように思います。
「REX-BTWATTCH1」の主な仕様 | |
発売時期 | 2014年7月 |
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メーカー | ラトックシステム |
消費電力量 | 0.3W |
計測できるデータ | 消費電力、電流、電圧、消費電力量、Co2排出量、電気料金 |
有効電力 | 0mW~1500W |
計測周期 | 1秒(リアルタイム表示)※消費電力、電圧、電流について。そのほかは1分ごと |
PCとの接続方法 | Bluetooth 3.0/4.0 |
データ記録間隔 | 1分 |
計測データをアプリで手軽に確認できるので、なにかと重宝しています。できるだけ正確にデータを計測したい人におすすめです!
ワットモニターUSB 2P TAP-TST10
Amazon.co.jpの販売価格:4300円前後(2015年2月23日時点)
「TAP-TST10」の主な仕様 | |
発売時期 | 2013年7月 |
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メーカー | サンワサプライ |
消費電力量 | 0.5W |
計測できるデータ | 消費電力、積算電力量、積算時間、積算電力量金、Co2排出量 |
有効電力 | 0.3~1650W |
計測周期 | 1秒 |
PCとの接続方法 | マイクロUSB |
データ記録間隔 | 10分 |
サンワサプライ「ワットモニター」シリーズの一種で、手頃な値段が魅力です。有効電力は0.3Wからで、消費電力の低い機器でも計測できます。
ちょっと気になるのは、データの記録間隔が10分と長い点。たとえばPCの消費電力を計測する際は各種ベンチマークソフトを利用するのですが、テストが数分で終わるものもあり、正しく計測されるのかどうかに不安が残ります。また付属ソフトについても、もうちょっと機能が欲しかった。
ワットモニターUSB PRO TAP-TST11
Amazon.co.jpの販売価格:5900円前後(2015年2月23日時点)
「TAP-TST11」の主な仕様 | |
発売時期 | 2014年6月 |
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メーカー | サンワサプライ |
消費電力量 | 0.5W |
計測できるデータ | 消費電力、積算電力量、積算時間、積算電力量金、Co2排出量、温度、湿度 |
有効電力 | 0.3~1650W |
計測周期 | 1秒 |
PCとの接続方法 | マイクロUSB |
データ記録間隔 | 10分 |
上記「TAP-TST10」の上位版です。「TAP-TST10」との違いは、温度と湿度を計測できるようになった点。それ以外の仕様はまったく変わりません。
正直なところ、温度と湿度を計測する必要がないなら、「TAP-TST10」でいいと思います。
F-PLUG115 BSCESFP0103
「F-PLUG115」の主な仕様 | |
発売時期 | 2013年 |
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メーカー | 富士通BSC |
消費電力量 | 0.3W |
計測できるデータ | 消費電力、温度、湿度、照度 |
有効電力 | 1~1500W |
計測周期 | (表記なし) |
PCとの接続方法 | Bluetooth 3.0 |
データ記録間隔 | 5分(リアルタイムモード) |
BluetoothでPCと接続できるワットチェッカーです。専用ソフトを使うことで消費電力の推移をリアルタイムで確認したり、CSVとして出力することができます。出力したCSVはエクセルで表にしたり、グラフ化することも可能。ワイヤレスで利用できるので、「TAP-TST10」のようにマイクロUSBケーブルの取り回しが面倒になることもありません。
付属ソフトも比較的高性能なようです。特に気になったのは「ワンショット」という機能。一定時間(最短1分間)のあいだの最大消費電力を調べることができるとのことで、まさに今回の目的にピッタリな感じがします。
ただし、計測項目が少ない点が気になります。温度と湿度はいいとしても、照度はまったく必要ありません。富士通の関連会社ですから、おそらく家電での利用を想定しているのでしょう。データの記録間隔は5分と「TAP-TST10」よりも短いため、精度の高い結果を期待できそうです。
REX-BTWATTCH1がおすすめ!
ということで、手頃なログ記録型ワットチェッカーを比較した結果、ラトックシステムの「REX-BTWATTCH1」を購入しました。当サイトだけでなくほかのレビュー系サイトでも使われているようで、地味に人気の商品みたいです。お手軽かつできる限り正確にデータを計測したい人におすすめします。