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GeForce MX250のベンチマーク (性能テスト)結果

GeForce MX250のベンチマーク (性能テスト)結果

NVIDIAのGeForce MX250は、2019年2月にリリースされたノートPC向けの専用グラフィックスチップ (dGPU、以下”GPU”)です。2019年前半ごろから発売されたノートPCの高級モデルで使われています。

 

CPU内蔵のグラフィックス機能 (iGPU)に比べて性能が高く、NVIDIAの発表によるとCore i5-8265U内蔵のIntel UHD Graphics 620に比べて最大3.5倍ものパフォーマンスとのこと。3Dゲームや動画編集などグラフィックス性能が求められる作業で威力を発揮します。

 

GeForce MX250のスペック

アーキテクチャ Pascal
GPUコア GP108
製造プロセス 14nm
CUDA 384
メモリー規格 GDDDR5
メモリー容量 2GB
クロック 1519MHz
ブーストクロック 1582MHz

 

GeForce MX250の用途

gameゲーム
動画編集動画編集
RAW現像RAW現像
3D制作3D制作
デザインデザイン
イラストイラスト

※ノートPC向けGPUとしての評価

 

この記事ではこれからノートPCを購入しようとしている方のために、GeForce MX250の性能について紹介します。

 

GeForce MX250概要

GeForce MX250は、PCのグラフィックス処理をサポートするためのパーツ (部品)です。CPU内蔵のグラフィックス機能に比べて3D性能が高い点が特徴。特にPCゲームや3D制作ソフトなどで効果が見られます。

 

また”CUDA”と呼ばれる機能で動画変換を高速化したり、専用のビデオメモリーを搭載することでウィンドウズの描画処理をサポートする役割もあります。ただし画像や動画の加工作業についてはあまり影響がありません (詳しくは後述)。

 

GeForce MX250の効果

  • ☝ PCゲームの快適化
  • ☝ 3D処理および3D制作の高速化
  • ☝ 動画変換の高速化
  • ☝ 専用ビデオメモリーによるサポート

 

GPU-Z

GeForce MX250の詳細情報

 

GeForce MX250が登場する以前の2017~2018年には、GeForce MX150と呼ばれるGPUがハイエンドクラスのノートPCで使われていました。GeForce MX250は、このGeForce MX150の後継GPUです。

 

と言っても、スペック的にはあまり変わっていません。せいぜいクロックが少し向上している程度です。そのため、性能についても大きくは変わらないと考えていいでしょう。

 

GeForce MX250とGeForce MX150の違い

GeForce MX250 GeForce MX150
アーキテクチャ Pascal Pascal
GPUコア GP108 GP108
製造プロセス 14nm 14nm
CUDA 384 384
メモリー規格 GDDDR5 GDDDR5
メモリー容量 2GB 2GB
クロック 1519MHz 1469MHz
ブーストクロック 1582MHz 1532MHz

GeForce MX250のベンチマーク結果

続いて、当サイトで実施したベンチマークテストの結果を紹介します。なおベンチマーク結果は各機種の平均値であり、GeForce MX250本来の性能を正確に表わすものではありません。また結果はパーツ構成やタイミング、環境、個体差などにより大きく変わることがあることをあらかじめご了承ください。

 

ちなみに今回の検証では、マウスコンピューターのDAIV-NG4300を使用しました。

 

DAIV-NG4300

検証に使用したマウスコンピューターのDAIV-NG4300H1-M2S5

試用機のスペック

OS Windows 10 Home
CPU Core i7-8565U
メモリー 16GB
ストレージ 512GB SSD (PCIe)
グラフィックス GeForce MX250 + Intel UHD Graphics 620

一般ノートPC向けGPUとの比較

ゲーム用やクリエイティブ用途向けでない一般的なノートPCで使われているGPUとの違いは、以下のグラフのとおり。CPU内蔵のUHD 620に比べて、約3倍程度の性能です。前世代のMX150から性能はアップしていますが、大きくパワーアップしているわけではありません。総合的に見ると、ゲーム用ではないGPUとしては最高クラスのパフォーマンスです。

 

GPUの性能比較

CPU 3DMark Fire Strikeスコア
MX250
3261
MX150
3091
MX130
1952
Radeon 530
1605
Radeon 520
1456
UHD 620 (Core i7-8565U)
1162
UHD 620 (Core i5-8265U)
1061

※2019年7月時点での当サイトの平均値

 

ただし繰り返しになりますが、ベンチマーク結果はノートPCのスペックや冷却性能、あるいは個体差によって大きく変わる点に注意してください。実際に、MX250搭載のInspiron 13 5000ではMX130を下回る結果が出ています。試用機になんらかの問題があると判断したためあえてこの結果は含めませんでしたが、PCの構造やコンディションによってはスコアが上下する可能性があります。

 

Inspiron 13 5000の結果

MX250搭載のInspiron 13 5000 (5390)では、かなり低い結果が出ています。試用機の不調の可能性があるためこの結果は除外していますが、個体によってスコアは大きく変わります

ゲーミングノートPC向けGPUとの比較

ゲーミングノートPCやクリエイティブ向けノートPCで使われるGeForce GTX / RTXシリーズとの違いは、以下のグラフのとおり。値段が高く高性能なGTX / RTXシリーズに比べると、性能は大きく劣ります。

 

ゲームについては画質や解像度を大きく下げればなんとか、というレベルです。フォートナイトクラスの中量級ゲームをフルHDで快適に楽しむにはGTX 1650程度の性能が必要ですので、MX250ではちょっと厳しいかもしれません。

 

GPUの性能比較

CPU 3DMark Fire Strikeスコア
RTX 2070
17104
RTX 2070 Max-Q
15368
GTX 1070
14715
GTX 1070 Max-Q
13461
RTX 2060
13121
GTX 1660 Ti
13099
GTX 1060
10187
GTX 1650
7974
GTX 1050 Ti
6770
GTX 1050
5425
MX250
3261

※2019年7月時点での当サイトの平均値

GeForce MX250のゲーム性能

FF14とドラクエのベンチマーク結果

MX250搭載の試用機でFF14ベンチとドラクエ10ベンチを試したところ、処理の軽いドラクエ10ベンチではフルHDの最高画質でも「すごく快適」の最高評価が出ました。しかしやや重いFF14ベンチでは、低画質でも平均60 FPS (快適にプレーできる目安)を下回っています。最高品質ではいちおう「快適」という評価ですが、とりあえず動くという程度で実際には画面がかなりカクつくはずです。どうしてもプレーしたいのであれば、解像度を落としたほうがいいでしょう。

 

ゲーム系ベンチマーク結果

FF14ベンチ
FF14:漆黒のヴィランズ (DX11) ※中量級
フルHD 最高品質 3697(快適) ※24.95 FPS
高品質 5338(とても快適) ※36.58 FPS
標準品質 7881(非常に快適) ※53.95 FPS
ドラゴンクエストX
ドラゴンクエストX(DX9) ※軽量級
フルHD 最高品質 11765(すごく快適)
標準品質 13724(すごく快適)
低品質 16021(すごく快適)

 

フォートナイトのFPS計測結果

フォートナイトを実際にプレーしてFPS (画面のなめらかさを表わす目安)を計測したところ、プリセットの「中」画質で理想とされる平均60 FPSをクリアーしました。CPU内蔵のUHD Graphics 620に比べて結果はいいものの、中画質だとかなり画面が荒くなってしまうので本格的にやり込むのは向いていません。

 

解像度を下げれば多少改善されますが、遠くの敵が見づらくなってしまうのでプレーが不利になってしまいます。1280×720ドットならNintendo Switchの携帯モードと同程度なので解像度という点では条件はほぼ同じですが、猛者が集うPC / XBox / PS4 (フルHD対応)でのクロスプラットフォームプレーではちょっと厳しいかもしれません。

 

MX250 フォートナイト

フォートナイトFPS計測結果 (フルHD)

MX250 UHD620
エピック(最高画質) 21.767 FPS (最低17 FPS) 6.23 FPS (最低1 FPS)
32.75 FPS (最低25 FPS) 8.76 FPS (最低6 FPS)
84.93 FPS (最低66 FPS) 21.63 FPS (最低18 FPS)
低(最低画質) 127.28 FPS (最低87 FPS) 59.31 FPS (最低40 FPS)

チームファイト タクティクスのFPS計測結果

リーグ・オブ・レジェンド内のモードのひとつであるチームファイト タクティクス (TFT)では、最高画質で平均116.1 FPSとまったく問題のない結果でした。ただCPU内蔵のUHD Graphics 620でも問題ない結果が出ているので、MX250を使う必要はないかもしれません。

 

MX250 チームファイト タクティクス

チームファイト タクティクスFPS計測結果 (フルHD)

MX250 UHD620
非常に高い(最高画質) 87.2 FPS (最低79 FPS) 66.183 FPS (最低55 FPS)

リーグ・オブ・レジェンドのFPS計測結果

リーグ・オブ・レジェンド (LoL)でも同様に、快適なプレーが可能です。今回の検証中にUHD Graphics 620の結果を誤って消してしまったのですが、通常モードはTFTよりも動作が軽いので問題ないはず。実際にUHD Graphics 620でプレーしていても、画面のカクつきが気になる場面はありませんでした。

 

MX250 リーグ・オブ・レジェンド

リーグ・オブ・レジェンドFPS計測結果 (フルHD)

MX250 UHD620
非常に高い(最高画質) 116.1 FPS (最低102 FPS) ※データ紛失

GeForce MX250のクリエイティブ性能

Photoshopベンチの結果

MX250 Photoshopベンチ

Photoshopでのフィルター処理や画像結合などの快適さを計測する「Puget Systems Photoshop Benchmark」では、MX250使用時とUHD Graphics 620使用時とでほとんど変わりませんでした。むしろMX250を使わないほうがスコアがちょっといいのですが、これは誤差の範囲内とも言えます。

 

Photoshopベンチの結果

MX250 UHD620
Overall Basic Score 573.4 588
General Score 49.7 51.9
Filter Score 56.4 56.6
GPU Score 41.3 39.5
Photomerge Score 74.5 77

PCMark 10 Digital Contents Creationの結果

MX250 PCMark 10 Digital Contents Creation

コンテンツ制作時の快適さを計測するPCMark 10では3D制作に関する「Rendering and Visualization Score」が大きく向上しているものの、写真加工に関する「Photo Editing Score」や動画編集に関する「Video Editing Score」ではあまり変わりませんでした。製作途中におけるソフトの動作については、あまり影響がないものと思われます。

 

ただしこれはあくまでもPCMark10の結果であり、CUDA対応のプロ向けソフト (Premiere Proなど)では動作が改善される可能性があります。このあたりについては機会があればより詳細に検証するつもりです。

 

PCMark 10 Digital Contents Creationの結果

MX250 UHD620
Digital Contents Creation 3824 3247
Photo Editing Score 4099 4142
Rendering and Visualization Score 3647 2124
Video Editing Score 3741 3894

Premiere Proによる動画の書き出し

MX250 Premiere Pro

アドビのPremiere Proを使って動画の書き出しを行なったところ、CUDAを使った処理では時間が短縮されました。動画の出力や変換などでは、MX250は確かに効果があると言えるでしょう。ただしGTX / RTXで利用可能なNVEnc (NVIDIAの動画変換機能)には非対応であり、またCUDAとCPUのみの変換では変換後の画質が多少変化する可能性があります。

 

Premiere Proによる動画書き出しの結果

MX250 UHD620
CUDA 4分51秒 非対応
ソフトウェア (CPUのみ) 8分38秒 8分53秒

OpenGLベンチマーク

MX250 OpenGL

3D制作ソフトやマインクラフト (Javaエディション)などで使われるOpenGLについては、MX250の効果が認められます。GTX / RTXシリーズほどではないものの、3D制作においてはCPU内蔵グラフィックス機能よりも多少有利に利用可能です。

 

OpenGLベンチマークの結果

MX250 UHD620
CINEBENCH R15 OpenGL 74.72 fps 45.64 fps

特定用途においては有効なGPU

ということで、今回はGeForce MX250のベンチマーク結果について紹介しました。

 

検証機種が1機種のみでありなおかつ検証項目も多くはないので、MX250のパフォーマンスを十分解説しきれているわけではありません。しかしある程度の目安――たとえばMX250の有無でどれだけの違いがあるのか、など――にはなると考えています。今後別のMX250搭載機種を検証する機会があれば、その結果を追加するつもりです。

 

現時点で言えるのは、確かにMX250が使われているとパフォーマンスは向上するものの、その効果は限定的であるという点です。ゲームにおいてはちょっと重い中量級クラスが画質や解像度の調整でなんとか遊べる程度になり、クリエイティブ用途においては動画の変換や書き出し、あるいはCUDA対応ソフトでの操作感向上を期待できます。

 

この点について魅力に感じるのであれば、MX250搭載ノートPCを選ぶべきでしょう。普段そのような作業を行なわないのであればMX250非搭載機種でもOKですし、ガッツリと行なうならより高性能なGTX / RTXシリーズ搭載機種のほうがおすすめです。

こんな人におすすめ

  • ☝ モバイルPC / スリムPCで少しでも快適に動画を編集したい
  • ☝ PCゲームで遊びたいけど本格的なゲーミングノートPCを買うほどではない
  • ☝ 将来の可能性に備えて少しでも性能の高い機種を選びたい

 

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こまめブログ

元雑誌・書籍編集者からPC系フリーライターを経て、レビューブロガーとして活動しているオジサンです。文章に関わる仕事を始めてから25年以上。最高195万PV/月。安いガジェットやPCをよく買いあさっています

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