2019年5月に台湾の台北市で開催されたCOMPUTEX TAIPEI 2019にて、HPのゲーミングノートPC「OMEN X 2S」に触れてきました。率直な感想を言わせていただくと、「ちょっとこれはヤバイんじゃないか」という感じです。悪い意味ではなく、いい意味でですけど。
なにがヤバイかというと、キーボード上にあるセカンドディスプレイを使って、ちょっとチートっぽいことをできるんですね。
「OMEN Command Center」という標準収録ユーティリティーをセカンドディスプレイに表示すると、タッチ操作でさまざまなことができます。CPUやGPUの状況をモニタリングしたり、LEDイルミネーションの色を変えたり、などなど。
そのOMEN Command Centerに”メイン画面のズーム表示”という機能がありまして、これを使うとゲームを有利に進められるのです。
写真を見るとおわかりのように、照準のあたりを拡大表示すればターゲットを狙いやすくなるのです。これはFPSやTPSなどのシューター系では相当有利ですよね。
ただし、メインディスプレイとセカンドディスプレイを交互に見ることで視線移動に時間がかかるというデメリットもあります。エイミングに集中すると、周りの状況に目が届かないかもしれません。その意味では上級者向けではなく、どちらかというと初心者から中級者向けの機能だと思います。
さてメインディスプレイはリフレッシュレートがフルHDモデルで144Hz、4Kモデルで60Hz、2019年7月発売のモデルで240Hzなわけですが、展示機では実際のリフレッシュレートは確認できませんでした。
キーボードはNキーロールオーバーとアンチゴーストに対応しています。キーストロークは1.5mmとノートPCとしては標準的。実際にキーを押してみたところ、普通のタッチで使えそうです。
タッチパッドはキーボードの右側に配置されています。ASUSのZenBook Duoでもそうだったのですが、タッチパッドがここに配置されていると右手でしか操作できないので、少し使いづらく感じました。もっとも、ゲーミングノートPCではマウスの利用が前提なので、あまり気にならないかもしれませんが。
ちなみにOMEN X 2SではCPUとファンの接着に、Thermal Grizzly社の液体金属グリスが使われています。通常のグリスに比べて熱伝導の効率化を実現しているとのこと。COMPUTEX TAIPEI 2019のROGブースで液体金属グリスのデモが展示されていたのですが、けっこう効果があるようです。
OMEN X 2SはCPUグリス以外の冷却性能も優れており、高いパフォーマンスを期待できそうです。
OMEN X2 Sのスペック
画面サイズ | 15.6インチ + 5.98インチ |
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メイン画面解像度 | ・1920×1080 ・3840×2160 |
サブ画面解像度 | 1920×1080 |
CPU | 最上位はCore i9-9880H |
メモリー | 最大32GB (64GBとの表記もあり) |
ストレージ | 256~2TB SSD ※RAID 0対応 |
グラフィックス | ・RTX 2070 Max-Q ・RTX 2080 Max-Q |
幅×奥行き | 362.11×261.7mm |
厚さ | 20mm |
重量 | 2.35kg |
電源 | 230W |
※2019年5月11日時点。構成は変更される場合があります
リフレッシュレート | ・140Hz (フルHD) ・60Hz (4K) ・240Hz (フルHD 7月発売予定) |
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表面処理 | 非光沢 |
パネルの種類 | IPSパネル |
光学ドライブ | なし |
テンキー | あり |
有線LAN | 1000Mbps |
無線LAN | 11a/b/g/n/ac |
Bluetooth | 5 |
USB3.1 | 3 |
USB3.0 | ー |
USB2.0 | ー |
USB Type-C | 1 |
Thunderbolt 3 | 対応 |
メモリーカード | ー |
HDMI | 1 |
VGA (D-sub15) | ー |
DisplayPort | Type-C出力 |
Webカメラ | ※不明 |
顔認証カメラ | ー |
指紋センサー | ー |
正直なところOMEN X 2Sが発表されたときはセカンドディスプレイの実用性に疑問を感じていたのですが、実機を使ってみて印象はガラリと変わりました。ゲーム画面のズーム機能は、かなり強力です。特にTPSやFPSでは威力を発揮するでしょう。ほかにも画面上のボタンをセカンドディスプレイに表示しておけば、タッチだけで素早く操作できるメリットもあります。ゲームを有利に進めるなら、これからは2画面ノートPCを選ぶべきなのかもしれません。
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