レノボから幅9.25cmのスリム型PC「ThinkCentre M75s Small Gen2」が発売されました。APU(CPU)はAMD Zen2ベースのRyzen PRO 4000GシリーズおよびAthlon。最安モデルは税込4万9632円から。
ThinkCentre M75s Small Gen2 ※ディスプレイは別売り
標準モデルの値段
APU/メモリー/ストレージ/Win10 | 税込価格 |
---|---|
Athlon 3050GE/4GB/128GB SSD/Home | 4万6530円 |
Ryzen 3 PRO 4350G/4GB/128GB SSD/Home | 5万4912円 |
Ryzen 5 PRO 3400G/8GB/256GB SSD/Home | 6万8640円 |
Ryzen 7 PRO 4750G/16GB/512GB SSD/Home | 9万0816円 |
Ryzen 5 PRO 4650G/8GB/256GB SSD/Pro | 7万4448円 |
※2020年11月22日時点
ThinkCentre M75s Small Gen2には、値段の安い価格.com限定モデルが用意されています。購入に特別な条件は必要なく、公式サイトから普通に購入可能です。安く入手したい人には、こちらのほうがおすすめ。
価格com限定モデルの値段
APU/メモリー/ストレージ/Win10 | 税込価格 |
---|---|
Ryzen 5 PRO 4650G/8GB/256GB SSD/Home | 6万2700円 |
Ryzen 7 PRO 4750G/16GB/256GB SSD/Home | 7万9860円 |
※2020年12月4日時点、パーツカスタマイズ対応
価格.com限定モデルではパーツを省略/ダウングレードすると、価格を大きく下げることができます。標準モデルよりも値引き額が大きく、必要最低限の構成(最小構成)に変更すると、元の値段よりもかなり安く購入可能です。
価格com限定モデルの最小構成時の値段
APU/メモリー/ストレージ/省略オプション | 税込価格 |
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Ryzen 5 / 8GB / 1TB HDD / マウス & キーボード & 本体スタンド | 4万7300円 |
Ryzen 7 / 8GB / 1TB HDD /マウス & キーボード & 本体スタンド | 5万1260円 |
※2020年12月4日時点
カスタマイズ画面でパーツをダウングレードすることで値段を下げられます
なおストレージを128GB SSDから1TB HDDのみにする場合は、まず「1st ハード・ディスク・ドライブ」を1TB HDDに変更し、つぎに「3rd ハード・ディスク・ドライブ」を「なし」に変更してください。
ダウングレードした状態でも使えますが、より快適に使うために別途購入したパーツを増設するといいでしょう。注文画面で上位パーツを選ぶより、アマゾンなどで購入したメモリーやSSDを自分で増設したほうが安くすみます。
前面と背面
パーツカスタマイズを行なう際は、以下の点に注意してください。
増設予定ならメモリーは8GB×1を選ぶ
8GBメモリーのオプションとして「8GB×1」と「4GB×2」が用意されています。16GBへ増設する予定なら、「8GB×1」を選んでください。あと1枚8GBメモリーを増設するだけで、より高速なデュアルチャネルで利用できます。
メモリーを増設するつもりがないなら、「4GB×2」を選ぶといいでしょう。8GB×1よりも、4GB×2のほうが処理が高速化されるからです。
無線LAN&Bluetoothは非対応
無線LAN(Wi-Fi)とBluetoothのオプションは用意されていません。つまり標準ではこれらに非対応ということです。
ただしパーツやアダプターを追加すれば、対応できます。海外のモデルではM.2スロットにWi-Fiカードが設置されているようなので、もしかすると国内モデルでもマザーボード上にはスロットが用意されているのかもしれません。
SDカードを利用するならメディアカードリーダーは「あり」に
最小構成では「メディアカードリーダー」を省略しますが、これにより前面のSDカードリーダーが利用できなくなってしまいます。デジカメなどでSDカードを利用する場合は、残しておいたほうがいいかもしれません。
キーボードとマウスは安っぽい
付属のUSBキーボードとUSBマウスは、ほかに使えるものがまったくないなら残しておいたほうがいいでしょう。ただしモノとしてはかなり安っぽいので、使いやすいものを自分で購入したほうがいいと思います。
光学ドライブを追加可能
価格com限定モデルでは、光学ドライブが非搭載です。必要な場合はオプションで追加してください。「DVD-ROMドライブ」は読み込み専用で、「DVDスーパーマルチドライブ」は再生と書き込みが可能です。
電源の容量アップが可能
標準では電源は180Wですが、カスタマイズオプションで260Wまたは310Wに変更できます。サイズさえ合うなら、消費電力の低いグラボを利用できるかもしれません。
主なスペックは以下の表のとおり。基本のパーツ構成はカスタマイズで変更できます。パーツのランクを下げて値段を抑えたり、逆に上位パーツを選んでとことんパワフルな仕様に仕上げることが可能です。
ThinkCentre M75s Small Gen2のスペック
OS | ・Windows 10 Home ・Windows 10 Pro |
---|---|
APU | ・Athlon Silver 3050E ・Athlon Gold PRO 3150G ・Ryzen 3 PRO 4350G ・Ryzen 5 PRO 3400G ・Ryzen 5 PRO 4650G ・Ryzen 7 PRO 4750G |
メモリー | 4~128GB ※スロット4基、最大128GB ※PRO 4000GはDDR4 3200 ※PRO 3000GはDDR4 2933 ※Athlon 3050GEはDDR4 2666 |
ストレージ | ・SSD ・HDD ・SSD + HDD |
光学ドライブ | ・なし ・DVDドライブ(読み込み専用) ・DVDスーパーマルチドライブ |
インターフェース | USB3.1 Gen1×2 (前面) USB3.1 Gen2×2 (前面) USB3.1 Gen1 Type-C×1 (前面) USB2.0×4 (背面) HDMI 1.4 DisplayPort×2 有線LAN マイク入力/ヘッドホン出力 ライン出力 |
ドライブベイ | 3.5インチ×1 2.5インチ×1 |
ワイヤレス通信 | なし |
拡張スロット | PCI Express x16 ×1 PCI Express x1 ×1 ※ロープロファイル(奥行き155.8mm以内) |
M.2スロット | 2(Wi-Fi用+ストレージ用) |
電源 | ・180W ・260W ・310W |
幅×奥行き×高さ | 92.5×297.7×339.5mm |
重量 | 5.3kg |
付属品 | USBキーボード、USBマウス、電源ケーブルなど ※カスタマイズで省略可能 |
オフィス | ※オプション |
※2020年12月4日時点
APUはいくつか種類がありますが、実際のところRyzen PRO 4000Gを選ぶことになるでしょう。APU名称の「PRO」は、ビジネス向けのセキュリティー / 管理機能が組み込まれていることを表わします。なおひと世代古いRyzen 5 PRO 3000Gが含まれている点に注意してください。
APUのスペックの違い
APUのパフォーマンスについては、超小型タイプのThinkCentre M75q-2で使われているRyzen PRO 4000GEを若干上回ると思われます。他機種でRyzen 5 PRO 4650Gのベンチマークテストを行なったところ、省電力タイプのRyzen 5 PRO 4650GEを上回る結果が出ました。筐体がやや大きいだけあって、パフォーマンスについてはThinkCentre M75q-2よりやや有利かもしれません。
CPUの性能比較
CPU | CINEBENCH R20 CPUスコア |
---|---|
Core i9-9900K |
4244
|
Core i7-10700 |
4177
|
Ryzen 7 PRO 4750GE |
4093
|
Ryzen 5 PRO 4650G |
3509
|
Core i7-9700K |
3397
|
Ryzen 5 PRO 4650GE |
3291
|
Core i7-9700 |
3190
|
Core i5-10400 |
3170
|
Core i7-8700 |
3026
|
Core i5-9400 |
2357
|
Ryzen 5 3400G |
1884
|
Ryzen 5 3400GE |
1716
|
Core i3-9100 |
1592
|
Ryzen 3 3200G |
1462
|
Celeron G4930 |
535
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
Ryzen APUはグラフィックス性能もそこそこ高いものの、やはり専用グラフィックス(dGPU)にはかないません。しかしThinkCentre M75s Small Gen2はPCI Express x16スロットを1基備えており、さらにカスタマイズオプションで電源を310Wまで容量アップできます。つまりエントリークラスのグラボであれば、使える可能性があるということです。
標準では映像出力がDisplayPortで4096×2160@60Hz、HDMIで4096×2160@24Hzに対応しています。標準ではHDMIでは4K@60Hzで利用できませんが、グラボを使えれば4K@60Hzでも動作するかもしれません。
※2021年1月8日追記
実機が到着したので内部を確認したところ、2スロット占有タイプのグラボは使えそうでした。また310W電源では、8ピンの補助電源用ケーブルが付いています。ただしグラボはロープロファイルで全長15.6cm以内でないと本体内部に収まりません。現状該当するグラボはGT710かGT1030ぐらいで、APU内蔵グラフィックスよりも性能が低いものばかり。将来的にはわかりませんが、いまのところグラボを追加する意味はなさそうな感じです。
※追記終わり
またメモリーも最大128GBまで増設可能です。そこまで積んでなにに使うかは不明ですが、とことんパワーアップできる点はうれしいもの。32GBメモリーにGTX 1650を追加すれば、エントリークラスのゲーミングPC/クリエイター向けPCとして利用できるのではないでしょうか。
ただ現時点ではいろいろと不明な部分があるのは事実。そこで当サイトではRyzen 7モデルを310W電源付きで購入しました。機材の検証が終わり次第レビューとして公開する予定なので、しばらくお待ちください。
ThinkCentre M75s Small Gen2を注文したので、検証次第レビューを公開します
リンク
ThinkCentre M75s Small Gen2 価格com限定モデル販売ページ
ThinkCentre M75s Small Gen2 価格com限定 Ryzen 5モデル
ThinkCentre M75s Small Gen2 価格com限定 Ryzen 7モデル
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