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2020年はAMDが躍進する年となるか? 2019年の振り返りと今後の展望について

AMD イベントレポート

2019年11月に行なわれたリンクシェア・ジャパン主催の「PC・デジタルフェア2019」において、AMDのブースを見学しました。そのときの様子を交えながら、昨今のCPU事情やこれからの展開などについて私見をまとめています。

 

リンクシェア AMD イベント

イベントにてAMD製CPUの現状についてうかがいました

デスクトップPC向けCPUでインパクトのあった2019年

CPU市場において、2019年はAMDが躍進を遂げた1年だったと言っていいでしょう。2017年に発売されたRyzenシリーズを皮切りにジワジワと人気を集め、2018年から現在も続くインテルのCPU供給不足に乗じてシェアを伸ばし、そして2019年7月~9月には長年続いたインテルのCPU販売台数シェアナンバーワンの座を奪取しました。10月以降はインテルが再びトップに返り咲いているものの、一時的にでもAMDがインテルを抜いたことが大きなニュースとなったのはまだ記憶に新しいところです。

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性能と価格面でも、AMDの優位性が目立ちました。セミナーでも解説されていたのですが、たとえばデスクトップPC向けの8コア / 16スレッドのRyzen 7 3700Xは同価格帯のCore i7-9700K (8コア / 8スレッド)をベンチマークテストのスコアで大きく上回り、1万数千円程度の価格差があるCore i9-9900K (8コア / 16スレッド)に匹敵するとのこと。さらに上位のRyzen 9 3900X (12コア / 24スレッド)やRyzen 9 3950X (16コア / 32スレッド)でも、同価格帯のインテル製CPUを上回るとのことでした。同じ価格であればより性能の高い方を選びたくなるのは当然のことです。

 

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会場で展示されていたRyzen 9 3950X搭載のMOD PC (改造PC)

 

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PCパーツメーカー各社から発売されているAMD製CPU対応のマザーボード

 

ノートPCにおいても、2019年なかごろから第2世代Ryzenモバイルを搭載する機種が増えました。インテルのCore i5を搭載した機種は7~8万円台あたりが相場ですが、Ryzen 5搭載機種は5~6万円台が中心。性能面では最新の第10世代Core i5に劣るものの、普段使いやビジネスには十分なパフォーマンスということもあって人気を集めています。

 

HP 14s-dk0000

Ryzenシリーズ搭載のHP 14s-dk0000

 

またゲーミングノートPCにおいても、Ryzen搭載機種が徐々に増えてきています。少し前まではRyzen + GTXシリーズの組み合わせが中心でしたが、2019年11月にRyzen 7 + Radeon RX 5500M搭載のAlpha 15がMSIから発売されました。今後はCPUとGPU両方ともAMD製のゲーミングノートPCが増えてくるかもしれません。

 

Alpha 15

Radeon 7 3750H + Radeon RX 5500M搭載のAlpha 15

2020年はノートPCに注目!

2019年はデスクトップPC市場においてRyzen / Threadripperシリーズが大きな話題となりましたが、ノートPCについてはパッとしませんでした。あいかわらずインテル製CPUを搭載したモデルが多く、搭載機種が増えてきたとは言えRyzenシリーズ搭載のノートPCは全体においてごく一部を占める程度です。

 

しかし2020年は、ノートPC市場において動きがあるかもしれません。

 

2020年1月に開催されたのCES 2020において、AMDはノートPC向けのRyzen 4000シリーズの投入を発表しました。その発表によると薄型ノートPC向けのUシリーズにおいて上位のRyzen 7 4800Uでは8コア / 16スレッドで動作するとのことです。

 

Ryzen 4000 Uシリーズのスペック

コア/スレッド 基本クロック 最大クロック
Ryzen 7 4800U 8 / 16 1.8GHz 4.2GHz
Ryzen 7 4700U 8 / 8 2.0GHz 4.1GHz
Ryzen 5 4600U 6 / 12 2.1GHz 4.0GHz
Ryzen 5 4500U 6 / 6 2.3GHz 4.0GHz
Ryzen 3 4300U 4 / 4 2.7GHz 3.7GHz

 

TDP 15WのUシリーズで8コア / 16スレッドは驚きです。インテル製CPUで言えばCore i9クラスのスペック。値段がどの程度になるのか気になりますが、デスクトップPC向けCPUの価格差を考えればCore i9よりも安い価格に設定されるでしょう。6コア / 12スレッドで動作するRyzen 5 4600Uも気になりますが、もしかすると6コア / 6スレッドのRyzen 5 4500Uがよく使われるかもしれません。単純にコア数だけで考えれば、インテル製のCoreプロセッサー Uシリーズを性能面で上回る可能性があります。

 

ゲーミングノートPC向けのHシリーズでも上位のRyzen 7 4800Hで8コア /16スレッド、下位のRyzen 5 4500Hでは6コア / 12スレッドで動作します。

 

Ryzen 4000 Hシリーズのスペック

コア/スレッド 基本クロック 最大クロック
Ryzen 7 4800H 8 / 16 2.9GHz 4.2GHz
Ryzen 5 4500H 6 / 12 3.0GHz 4.0GHz

 

こちらはインテルのCore i9により肉薄する感じでしょうか。性能がとても気になりますが、個人的には6コア / 12スレッドのRyzen 5 4500Hも気になります。6コア / 12スレッドと言えば、現行のゲーミングノートPCでよく使われるCore i7-9750Hと同じ。Core i5のHシリーズと同程度の価格でパフォーマンスがCore i9クラスなら相当スゴイですよね。

 

もっともインテルからは第10世代のHシリーズが発表されているので、性能差は多少変わるかもしれません。ですが長年インテルの独壇場であったゲーミングノートPCにおいてもAMDが躍進するとなると、その対抗措置としてインテル製CPUが値下がりする可能性があります。消費者にとっては、喜ばしいことではないでしょうか。

 

さらにAMDはノートPC向けの外部GPUとして、Radeon RX 5600M / 5700Mを発表しています。2019年にリリースされたRadeon RX 5500MがNVIDIAのGeFroce GTX 1650を平均で30%以上回るとのことなので、もしかするとGTX 1660 Ti / RTX 2060クラスのパフォーマンスなのかもしれません。実際にはベンチマークテストを行なわないとわかりませんが、2020年はゲーミングノートPCのラインナップや勢力図が大きく変わりそうな気がします。

 

またデスクトップPC向けCPUとして、32コア / 64スレッドのRyzen Threadripper 3990Xのリリースも予定されています。そのあともさらに高コスパなRyzenシリーズが次々と発表されることでしょう。インテルがどのような対抗措置に打って出るのかは不明ですが、わかりやすいところで言えば値段を下げてくるかもしれません。2019年はインテルにとって「AMDにしてやられた年」であるはずなので、2020年はなんらかの動きを見せるのではないかと思っています。

 

ノートPC向けCPUについては2019年のデスクトップPC向けCPUと同様に、AMD側が「してやったりな年」になるかもしれません。スペック面でも価格面でもインテルは大きく遅れを取っていますので、あとは一般層に向けたプロモーションしだいでしょうか。普通の人にも「Core i5 / i7じゃなくてもOK」と認知されれば、シェアが逆転とまではいかなくとも大きく伸びる可能性があります。

 

そんな感じで、2020年も引き続きAMDに要注目です。個人的にはノートPCを中心にウオッチするつもりですが、デスクトップPC向けのCPUもチェックする予定。できれば多コアなRyzenを搭載したデスクトップPCが1台欲しいですね。

 

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個人的にはRyzen 9搭載のデスクトップPCが気になります

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