不気味なキャラクターと斬新すぎる演出で局所的に話題の作品「Plug & Play」。そのiOS/Android向けアプリが公開されていていたので、さっそくプレーしてみました。ネタバレを含みますが、バレたところで大きな影響はないはずです。
「Plug & Play」はこんな作品
まずはアプリの紹介動画をご覧いただきましょう。ちなみにこれは、公式に公開されている動画です。
いかがでしょうか。さっぱり意味がわかりませんね。そもそも、このキャラクターはなんなのでしょう。
アプリの概要を簡単に説明すると、画面上に現われるコンセントやスイッチ、謎のキャラクターをタップやスワイプで操作するだけです。途中で英語の選択肢が表示されますが、なんとなく選んでも先へ進みます。
アドベンチャーゲームのように、「その画面でなにかを行なう」のが基本です。時間制限やゲームオーバーはありませんので、ゆっくりプレーできます。
途中で何度かどうしていいのかわからない場面がありましたが、画面をテキトーに操作したらなんとかなりました。そんな程度の難易度です。
「ゲーム」と呼べるほどのボリュームはなく、ものの数分あるいは10分程度で終わります。壮大な物語やゲームとしての面白さはまったくありませんので注意してください。
衝撃的なシーンの数々
この作品には、ショッキングな場面がたびたび出てきます。ここでなにをするのかは、実際に体験してみてください。
「Plug & Play」に関する考察
「じゃあこの作品はなにがオモシロイのか?」と疑問に思う人もいるでしょう。それはもっともです。しかも300円の有料アプリですから、ある種のサギのように思えるかもしれません。
しかし私自身は、この作品に深いテーマを感じることができました。有料アプリをめったに買わないのですが、今回の「Plug & Play」については特に後悔していません。
ということでここからは、この作品に関する私なりの解釈を紹介します。これからプレーしようと思っている人は、まずはプレーしてからご覧いただくことをおすすめします。
ひととおりプレーし終わって感じたのは、「物悲しさ」でした。一度プレーした人ならなんとなくわかると思うのですが、この作品は人と人とのコミュニケーション不全、いわゆる「ディスコミュニケーション」をテーマにしているのではないでしょうか。
作中では画面が白と黒に反転することがたびたびありますが、白い画面のときは明るく前向きな状態を、黒い画面のときは不安や不安定な状態を表わしているようです。
以下、私なりの解釈を物語の流れとして解説します。スクリーンショットは必ずしも状況を表わしているわけではなく、あくまでもイメージとして考えてください。
開始直後、主人公(?)はひとりで不安なことから、闇雲に駆けまわります。
ほかの人とつながれば不安は解消されると気づいたのですが、誰も受け入れてくれません。そのストレスから、他人を攻撃してしまいます。
「自分が変わればいいのではないか?」とも思うのですが、うまくいきませんでした。
ようやく自分に合いそうな人を見つけるのですが、すれ違いから心を通わせることはできませんでした。
そして、普通とは違う方法でつながることを見つけ出すのです。
けれど、それは望んでいたつながり方ではありませんでした。
そして、主人公(?)はその場から離れていきます。
他人とつながるのは、とても難しい。でも、やり方や考え方しだいで、なんとかなるのかもしれません。
いかがでしょうか? ただこれはひとつの解釈であり、ほかにいろいろな解釈もあると思います。
元ネタになった(?)動画
アプリ版のほかに、6分の動画も公開されています。こちらはアプリを補完するような内容になっており、これを観ればまた違った解釈ができるかもしれません。
「Plug & Play」はゲームというより、アート作品的なアプリです。興味のある方は、ぜひ一度体験してみてください。