ポイント
- 4万円台とリーズナブル
- 超軽量&超コンパクト
- Windows 10 Pro対応
MINISFORUM UM300のスペック
OS | ・Windows 10 Home ・Windows 10 Pro |
---|---|
CPU | Ryzen 3 3300U |
メモリー | ・DDR4 2400 8GB SODIMM ・DDR4 2400 16GB SODIMM ※スロット×2 最大32GB |
ストレージ | ・128GB ・256GB SSD ・512GB SSD |
グラフィックス | Radeon Vega 6 |
サイズ | 幅128mm 奥行き127mm 高さ46mm |
重量 | 500g |
※2020年9月25日時点。構成は変更される場合があります
フォームファクター | ※独自仕様 |
---|---|
SATAポート | - |
M.2スロット | 1 (ストレージ用、Type 2280、SATA) |
光学ドライブ | - |
ドライブベイ | 2.5インチ×1 |
拡張スロット | - |
有線LAN | 1000Mbps×2 |
無線LAN | Wi-Fi 6 (11a/b/g/n/ac/ax) |
Bluetooth | 5.1 |
USB3.1 | 3 (Gen 2 前面×1 + 背面×2) 1 (Gen1 前面) |
USB3.0 | 3 (前面×3) |
USB2.0 | - |
USB Type-C | 1 |
Thunderbolt 3 | - |
メモリーカード | - |
HDMI | 1 |
VGA (D-sub15) | - |
DisplayPort | 1 |
DVI | - |
シリアルポート | - |
PS/2 | - |
付属品 | 電源アダプター、HDMI/DPケーブル、取り付けブラケットなど |
オフィス | なし |
■ラインナップ
メモリー | SSD | OS | 税込価格 |
---|---|---|---|
8GB | 128GB | Win10 Home ※ | 4万5990円 |
8GB | 256GB | Win10 Pro | 4万8980円 |
16GB | 512GB | Win10 Pro | 5万2590円 |
※Windows 10 Proに変更する場合は出品者に連絡。16GBメモリーモデルは10/10ごろ販売再開
この記事ではメーカーからご提供いただいた実機を使って、本体の外観や機能、実際の性能についてレビューします。
この記事の目次
- ▶ スペック
- ▶ 本体の外観
- ▶ 分解方法とパーツ交換について
- ▶ ベンチマーク結果
- ▶ まとめ
本体の外観
パッケージ
MINISFORUM DeskMini UM300のパッケージはとてもコンパクト。デスクトップPCの箱とは思えないほどです。箱のなかには本体のほかにケーブルや取り付けブラケット、ネジなどが同梱されており、特になにかを買い足す必要はありません。
コンパクトなパッケージ
箱の中身
本体の外観
MINISFORUM DeskMini UM300の設置面積は幅12.8×奥行き12.7cm。小さなお弁当箱や小物入れのようなサイズ感です。高さは公称値で4.6cmですが、底面部のゴム足を含めた設置時の高さは5.09cmでした。重量も非常に軽く、持ち歩いたり使わないときは収納したりできます。
コンパクトな本体。シルバーとホワイトの上品なツートンカラー構成です
ボックスティッシュとのサイズ比較
14インチのモバイルディスプレイと組み合わせた際の設置イメージ
モバイルディスプレイやワイヤレスマウスなどと組み合わせれば、使わないときはコンパクトに収納できます
高さは公称値で4.6cm。側面はアルミ製で頑丈かつ高級感があります
底面部を保護するゴム足がやや高く、設置時は5.09cmありました
天面部
底面部。技適マーク取得済み
重さは実測で511g。とても軽量です
付属の電源アダプター。重さは372g
小型PCとして人気のThinkCentre M75q-1 Tinyより厚みがあるものの、設置面積はコンパクトです
ThinkCentre M75q-1 Tinyとの設置面積比較
VESAマウント対応
付属の取り付けブラケットを使えば、MINISFORUM DeskMini UM300をVESA対応ディスプレイの背面に設置可能です。本体が見えないので、デスクやディスプレイの周りはとてもスッキリします。
付属の取り付けブラケット
付属のネジを本体に取り付けます。このとき最後まで閉めずに、少し空きを作ること
VESA75/100対応ディスプレイに取り付けブラケットをネジで固定します
本体に付けたネジを取り付けブラケットに引っかければセット完了
配線はこんな感じ
ディスプレイ背面に設置すれば、PC本体がまったく眼に入りません
インターフェース
周辺機器接続用のインターフェース (端子類)はデスクトップPCとしては標準的ですが、小型PCとしては充実しています。特に3系統の映像出力 (HDMI、DisplayPort、USB Type-C)に対応している点がポイント。3画面を同時に利用可能です。さらに有線LANが2ポートあり、ソフトウェアルーターやネットワークの分離/統合などさまざまな用途で利用できます。
本体前面にはマイクとUSB type-C、USB3.1 Gen1、USB3.1 Gen2、ヘッドホン端子、電源ボタン、リセットボタン
背面にはUSB3.1 Gen2、DisplayPort、HDMI2.0、有線LAN、電源コネクター
前面のType-C端子は映像出力に対応。ケーブル1本でモバイルディスプレイへの給電と出力が可能です
分解方法とパーツ交換について
MINISFORUM DeskMini UM300はメモリーやストレージなどのパーツの交換 / 増設が可能です。利用するのはノートPC向けのパーツが中心で、デスクトップPC向けのメモリーやHDDは使えない点に注意してください。なお拡張ボードには対応していません。
天板の角をグッと押し込むと、天板が外れます。ドライバーを使わずにパーツ交換やメンテナンスが行なえるのはとても便利
本体内部
メモリースロットは2ポート。メモリー規格はDDR4 2400で最大32GBまで対応
M.2 SSDはSATA接続タイプで、最大容量は1TB
2.5インチストレージ用のケーブルを引き出します
天板の裏側に2.5インチストレージを設置可能。付属のネジで固定できます。写真ではSSDを使っていますが、基本的にはHDD用です
MINISFORUM UM300のベンチマーク結果
※ベンチマーク結果はパーツ構成やタイミング、環境、個体差などの要因で大きく変わることがあります。またグラフィックス機能内蔵のAMD製プロセッサーは本来「APU」と呼ばれますが、ここではわかりやすさ優先で「CPU」と表記します
ストレージ性能
ストレージはSATA接続のSSDです。アクセス速度はPCIe (NVMe)接続のSSDよりも劣りますが、HDDやeMMCよりはるかに高速。ウィンドウズのレスポンスも速く、ストレスを感じることなく利用できました。
128GB SSDのアクセス速度
ストレージのアクセス速度
CPU性能
MINISFORUM DeskMini UM300では、ノートPC向けCPUであるRyzen 3 3300Uが使われています。一般的によく使われるCore i5よりもベンチマークスコアはやや下ですが、ネットの調べものや動画視聴など軽めの用途であれば問題ありません。情報収集や資料作成主体のビジネス用途にも向いています。
ノートPC向けCPUとの性能比較
CPU | CINEBENCH R20 CPUスコア |
---|---|
Core i5-1035G1 |
1456
|
Core i5-10210U |
1435
|
Ryzen 5 3500U |
1397
|
MINISFORUM UM300 (Ryzen 3 3300U) |
1165
|
Ryzen 3 3300U |
1020
|
Core i3-10110U |
918
|
Ryzen 3 3200U |
643
|
Athlon Silver 3050U |
624
|
Celeron N4120 |
435
|
Celeron N4020 |
328
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
ノートPCよりも高性能なデスクトップPC向けCPUと比較すると、性能はそれほど高くはありません。ただしこれらのCPUは消費電力が高く、また電圧を確保したり本体内部を強力に冷やす必要があるため、本体サイズが大きくなってしまいます。MINISFORUM DeskMini UM300の最大のメリットは本体サイズが小さいことですので、デスクトップPC向けCPUよりも性能が劣るのは仕方がないでしょう。劣るとは言えども、普段の利用には十分活用できます。
デスクトップPC向けCPUとの性能比較
CPU | CINEBENCH R20 CPUスコア |
---|---|
Core i5-10400 |
3170
|
Core i5-9400 |
2357
|
Ryzen 5 3400G |
1884
|
Core i3-9100 |
1592
|
Ryzen 3 3200G |
1462
|
MINISFORUM DeskMini UM300 (Ryzen 3 3300U) |
1165
|
Celeron G4930 |
535
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
グラフィックス性能
グラフィックス機能は、CPU内蔵タイプです。インテルのUHD Graphicsよりも優秀ですが、ゲームやクリエイター向けソフトをバリバリと使いこなせるほどではありません。あくまでもライトな用途向きです。
ノートPC向けGPUの性能比較
GPU | 3DMark Fire Strike Graphicsスコア |
---|---|
GTX 1650 ※参考 |
8513
|
MX250 |
3400
|
Radeon (Ryzen 7 4700U) |
3384
|
Iris Plus(Core i7) |
2880
|
Iris Plus(Core i5) |
2236
|
MINISFORUM UM300 |
1621
|
UHD (Core i7) |
1335
|
UHD (Core i5) |
1273
|
UHD (Core i3) |
859
|
UHD 600 (Celeron) |
486
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
PCとしての汎用性
テスト | スコア |
---|---|
Essentials (一般的な利用) |
4100
6866 |
Productivity (ビジネス利用) |
4500
5660 |
Digital Contents Creation (コンテンツ制作) |
3450
2905 |
※スコアの目安はPCMark 10公式サイトによるもの
PCMark 10は、PCを使った各種作業の快適さを計測するベンチマークテストです。MINISFORUM DeskMini UM300では一般利用のテスト (web閲覧、ビデオチャットなど)とビジネス利用のテスト (表計算とワープロ)は快適に使える目安の目標スコアをクリアーできました。ただし高いCPU性能とグラフィックス性能を必要とするコンテンツ制作 (3D制作や動画編集など)のテストはクリアーできていません。やはりこの結果からも、ライトな利用向きであることがわかります。
ゲーム系ベンチマーク結果
各種ゲームの快適さを調べたところ、ごく軽いドラクエ10では画質を落とせばフルHDでも快適に遊べるとのことでした。ほかにリーグ・オブ・レジェンドのような2D主体のゲームであれば画質調整ありで普通にプレーできるはずです。やや重いゲームとなると、解像度や画質をグッと落としてなんとかプレーできるというレベルかもしれません。ごく軽めのゲームを息抜き程度に楽しむ使い方に向いています。
FF15ベンチ (重い / DX11)
画質 | スコア / 評価 |
高品質 | 513 / 動作困難 |
標準品質 | 879 / 動作困難 |
軽量品質 | 1179 / 動作困難 |
※1920×1080ドットの結果。スコアが6000以上で「快適」
FF14ベンチ:漆黒のヴィランズ (やや重い / DX11)
画質 | スコア / 平均FPS |
最高品質 | 1368 / 8.6 FPS |
高品質 | 1464 / ※未計測 |
標準品質 | 2314 / 15.4 FPS |
※1920×1080ドットの結果。平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
ドラクエXベンチ (超軽い / DX9)
画質 | スコア / 評価 |
最高品質 | 4550 / 普通 |
標準品質 | 6195 / 快適 |
低品質 | 6729 / 快適 |
※1920×1080ドットの結果
普段使いにおすすめの小型PC
よかった点
値段が安くてコンパクト、それでいて本体の見栄えがいい点が魅力です。黒くてゴツいPCはいくらでもありますが、ここまで洗練された見栄えのコンパクトPCはなかなかありません。おしゃれにまとめたデスクに配置しても違和感はないでしょう。
パフォーマンスは高いわけではありませんが、普段使いには十分だと思います。メモリーやストレージの容量も十分で、普通に使うぶんにはストレスを感じるほど処理が遅い場面はありませんでした。パーツを手軽に交換できる点もポイントです。手頃で見た目のいい小型PCとしておすすめします。
気になる点
ライトユーザー向けとして見れば、気になるは特にありません。ちょっとマニアックな視点で見るなら、SDカードには対応して欲しかったと思います。またSSDがより高速なPCIe (NVMe)対応であれば、より快適に使えたでしょう。ただ値段の安さを考えれば、仕方がないかもしれません。
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