ThinkPad X1 Yoga実機レビュー(熱対策編) スリムボディゆえに高温になるが影響は少ない!?

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レノボ・ジャパンのThinkPad X1 Yogaは、360度回転可能な液晶ディスプレイを搭載した14型の2-in-1ノートパソコンです。CPUに第6世代のCore i5/i7を搭載しているにも関わらず、本体の高さが15.3~16.8mmと14型2-in-1モデルとしては非常にスリムなデザインに仕上がっています。

ThinkPad X1 Yoga

ThinkPad X1 Yoga

さて前回のレビューではThinkPad X1 Yogaのパフォーマンスについて解説したのですが、ベンチマークテストから「熱でパフォーマンスが低下しているのではないか」と疑われるような結果が得られました。そこで今回はメーカーからお借りした実機を使って、ThinkPad X1 Yogaの熱とパフォーマンスの関係について検証します。

なお今回はあくまでもパフォーマンスを検証するものであって、触れたときの温度については検証していません。ただしベンチマーク中に実機に触れてみたところ、多少温かくはなったものの、熱くて触れないほどではなかったことを記しておきます。

試用機の主なスペック
OS Windows 10 Home 64ビット
CPU Core i7-6500U(2.50GHz)
メモリー 8GB
グラフィックス Intel HDGraphics 520
ストレージ 256GB SSD(NVMe)
ディスプレイ 14型、2,560×1,440ドット

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ベンチマーク中に動作周波数の低下を確認

パソコンの総合的なパフォーマンスを計測する「PCMark 8」では、ベンチマーク中におけるCPUの温度や動作周波数などが記録されています。その結果を見ると、動作周波数が一時的に下がっている場面が見受けられました。

「PCMark 8」の「Home conventional3.0」および「Home accelerated3.0」実行中の状態

「PCMark 8」の「Home conventional3.0(上)」および「Home accelerated3.0(下)」実行中の状態

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「PCMark 8」の「Creative conventional3.0(上)」および「Creative accelerated3.0(下)」実行中の状態

上記のグラフで紫色の線で描かれているのが、CPUの動作周波数の推移を表わしたものです。周波数が一時的に400~500MHzあたりにまで落ち込んでいる場面が何度かあるのがわかります。ちなみに「Home conventional」と「Home accelerated」の「Casual Gaming」のワークロードで動作周波数が2GHzを切っているのは、CPUの代わりに内蔵グラフィックス機能であるIntel HD Graphics 520が処理を行なっているため、そのあいだCPUが少し休んでいるためだと思われます。

CPUの温度を見てみると、80度前後になっている場面が何度かありました。CPUの限界温度は100度ですので、まだ少し余裕がある状態です。しかしこの状態が続くと熱はさらに上昇し、本体に悪影響を及ぼしかねません。

温度の上昇によって機器が危険な状態になると、CPUは自動的に動作周波数を落とし、熱を下げようとします。これがいわゆる「サーマルスロットリング」と呼ばれる現象です。サーマルスロットリングが発生した状態ではパソコンのパフォーマンスは低下し、本来の性能を引き出せなくなります。

サーマルスロットリングが発生するのはCPUの温度が高くなるためですが、これは本体内部の熱をうまく逃せていないことを意味します。原因としては空冷ファンが弱い、冷却のための空気の通り道(吸排気口)が小さい、本体が薄すぎて熱がこもってしまう、などです。

ThinkPad X1 Yogaでサーマルスロットリングは発生しているのか?

ではThinkPad X1 Yogaで、サーマルスロットリングによるパフォーマンスの低下は生じているのでしょうか? 結論から言うと、これはサーマルスロットリングというほどのものではないと思います。実際にサーマルスロットリングが発生すると、CPUの動作周波数はしばらく回復しません。一瞬で回復するThinkPad X1 Yogaでは、別の機能によって内部の熱がコントロールされているように感じます。

実際にサーマルスロットリングが発生しているタブレットでのデータ。動作周波数(紫の線)が大きく下がったまま、しばらく回復していません

インテリジェント・クーリングの影響は?

それでは、どうしてCPUの動作周波数が一時的に下がっているのでしょうか。おそらくCPU自体の機能という可能性もありますが、もしかしたらThinkPadシリーズに搭載されている「インテリジェント・クーリング」が影響しているのかもしれません。

モバイル用途のThiknPadシリーズで利用できる「インテリジェント・クーリング」

モバイル用途のThiknPadシリーズで利用できる「インテリジェント・クーリング」

インテリジェント・クーリングとは、状況に応じてパフォーマンスを調整することでパソコンの温度を快適な状態に保つための機能です。本来は手の持ったときやバッグのなかに入れたときに熱くなり過ぎないようにするためのものですが、机に置かれた状態のときでも機能している可能性があります。全体を通じて高いパフォーマンスを維持するために、一時的に周波数を下げているのかもしれません。

CPUとGPUに高い負荷をかけてみた結果

本来であればインテリジェント・クーリングの有効/無効を切り替えてテストを行なうべきだったのですが、今回は諸々の事情によりテストを行なうことができませんでした。別の機会に詳しく検証する予定です。

その代わりと言ってはなんですが、CPUとGPUのストレステスト(わざと高い負荷をかけてフル稼働状態にする)を行なった結果を紹介します。

CPUのストレステストには、「CPU-Z」を利用しました。

CPUのストレステストを実行している状態。「Bench」タブの「Stress CPU」をクリックすることで実行できます

CPUのストレステストを実行している状態。「Bench」タブの「Stress CPU」をクリックすることで実行できます

CPU-Zによるストレステストを2時間継続した結果がこちら。CPUの温度は81度まで上昇していますが、動作周波数は2.69GHzまでしか下がっていません。どうやらCPUの温度だけで、動作周波数が下がるわけではないようです。

CPUストレステスト実行時のCPUの温度と動作周波数

CPUストレステスト実行時のCPUの温度と動作周波数

続いて「msi Kombustor」でGPUのストレステストを行なったところ、CPUの動作周波数は1.39GHzまで落ちましたが、PCMark 8実行中に見られたほど大きな下落ではありません。Casual Gamingのワークロードで低下した周波数とほぼ同じですので、CPUが少し休んでいるものと思われます。

GPUに高い負荷をかけ続ける「msi Kombustor」

GPUに高い負荷をかけ続ける「msi Kombustor」

「msi Kombustor」を2時間実行したときのCPU温度と動作周波数

「msi Kombustor」を2時間実行したときのCPU温度と動作周波数

CPUとGPUに同時に負荷をかけてみたところ、最高温度はちょっとだけ上がり、最低動作周波数も1.29GHzになりました。しかしそれでも、大きく下がるわけではありませんでした。

CPU-Zとmsi Kombustorを同時に実行してみました

CPU-Zとmsi Kombustorを同時に実行してみました

テストを2時間継続しても、前の結果と変わりませんでした

テストを2時間継続しても、前の結果と変わりませんでした

ところがFF14ベンチを試してみたところ、最低動作周波数が399MHzと、PCMark 8で見られた大きな下落がありました。

ff14ベンチ

FF14ベンチを30分実行したときの結果。最低動作周波数が399MHzまで下がっています

PCMark 8で見られた6回の下落のうち、4回が「Photo Editing」で発生していますので、おそらく画像処理周りに動作周波数が大きく下がる原因があるのかもしれません。このあたりはほかの機種での結果も見ながら、引き続き調査していこうと考えています。

総合的なパフォーマンスへの影響はわずか

ということで、今回はThinkPad X1 Yogaの熱とパフォーマンスの相関関係について解説しました。まだ検証が足りない部分はありますが、今後さらに検証の精度を高めていこうと思います。

ただ今回の結果を見る限りでは、熱による影響は多少出ているものの、気にするほどではないと言えるでしょう。動作周波数が下がってはいますが、それはほんの一瞬だけで、平均的なパフォーマンスは高い状態にあります。Windows 10の電源プランやインテリジェント・クーリングの設定を変えるなどして、シーンに合わせて調整してください。

ThinkPad X1 Yogaでは、熱によるパフォーマンス低下は気にするほどではありません

ThinkPad X1 Yogaでは、熱によるパフォーマンス低下は気にするほどではありません

なおThinkPad X1 Yogaの価格や納期、支払い方法などについては、公式サイトでご確認ください。

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