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Celeron N3060/Celeron N3710など新ステッピングのBraswellが登場。Celeron N3050との違いは?

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IntelのARKにBraswellの新モデルが追加されました。今回新たにリリースされたのは、Pentium N3710とCeleron N3160、Celeron N3060、Celeron N3010の4種類です。自分用の備忘録として、新CPUの概要やチェックポイントなどをまとめています。

 

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Braswell世代のCPUに新ステッピングのモデルが登場

Braswell世代のCPU(SoC)は2015年4月にはじめてリリースされ、Pentium N3700、Celeron N3150、Celeron N3050、Celeron N3000の4種類がラインナップされていました。今回新たに登場した新CPUでは、プロセッサナンバーが旧モデルのものからそれぞれ+10されています。定格動作周波数はまったく変わっていません。このことから、新CPUは旧モデルからステッピングが変わっている、つまりマイナーアップデートしているものと思われます。

 

Braswell世代のCPU
Dステッピング
(2016年1月リリース)
Cステッピング
(2015年4月リリース)
Pentium N3710(1.6GHz) Pentium N3700(1.6GHz)
Celeron N3160(1.6GHz) Celeron N3150(1.6GHz)
Celeron N3060(1.6GHz) Celeron N3050(1.6GHz)
Celeron N3010(1.04GHz) Celeron N3000(1.04GHz)

 

Pentium N3710のスペック

まずはBraswell世代の最上位モデルであるPentiumについて。新モデルのPentium N3710と旧Pentium N3700のスペックを比較してみると、バースト周波数以外の性能は変わっていないことがわかります。

 

Pentium N3710とPentium N3700の違い
CPU名 Pentium N3710 Pentium N3700
開発コード Braswell
ステッピング D C
コア数/スレッド数 4/4
動作周波数 1.6GHz
バースト周波数 2.56GHz 2.4GHz
キャッシュメモリー 2MB(L2)
TDP 6W
グラフィックス Intel HD Graphics 405 Intel HD Graphics(第8世代)
グラフィックス動作周波数 400MHz
グラフィックス最大動作周波数 700MHz
実行ユニット数 16

 

CPU内蔵のグラフィックス機能(iGPU)はIntel HD Graphics(第8世代)からIntel HD Graphics 405に変わっています。しかし細かい数字を確認してみたところ、スペックに違いはありませんでした。おそらく名称を変更したというか、新たに名前が付けられただけなのかもしれません。確かにいままでは各CPUの性能差がわかりづらかったのでありがたいのですが、リネームしただけで性能は変わらないのは肩透かしを喰らったような感じです。

 

結局のところバースト周波数がちょっとだけ上がったにすぎませんが、だからと言って新しいPentium N3710に意味がないわけではありません。回路の細かな改良によって動作が安定し、その結果としてバースト周波数が上がっているわけです。ですので、CPUとしての信頼性はPentium N3710のほうが高いと言えるでしょう。

 

あとは値段との兼ね合いになるわけですが、たとえば自作PCで使うなら信頼性が高いPentium N3710を使うべきですし、格安PCならPentium N3700搭載モデルでもいいのではないかと。そのあたりは目的に応じて好ましいほうを選んでください。

 

Celeron N3160のスペック

続いては、Celeronでは最上位モデルのCeleron N3160について。このCPUは4コア搭載で、ひとつ下のCeleron N3050/3060(2コア)よりも高性能である点が特徴です。参考までにスペック表にはBay Trail-M世代のCeleron N2940も含めています。

 

Celeron N3160/Celeron N3150/Celeron N2940の違い
CPU名 Celeron N3160 Celeron N3150 Celeron N2940
開発コード Braswell Bay Trail-M
ステッピング D C
コア数/スレッド数 4/4
動作周波数 1.6GHz 1.83GHz
バースト周波数 2.24GHz 2.08GHz 2.25GHz
キャッシュメモリー 2MB(L2)
TDP 6W 7.5W
グラフィックス Intel HD Graphics 400 Intel HD Graphics(第8世代) Intel HD Graphics(第7世代)
グラフィックス動作周波数 320MHz 313MHz
グラフィックス最大動作周波数 640MHz 854MHz
実行ユニット数 12 4

 

Pentium N3710と同様にCeleron N3160でも、旧モデルのCeleron N3150からバースト周波数がわずかに上昇しただけです。iGPUはIntel HD Graphics 400に変わりましたが、性能的には旧モデルのIntel HD Graphics(第8世代)と変わらないものと思われます。

 

個人的に注目したいのは、バースト周波数がようやくBay Trail-M世代のCeleron N2940に追いついた点です。CステッピングのBraswellではBay Trail-MよりもCPUのベンチマークスコアが低かったのでちょっとモヤモヤした気持ちを抱いていたのですが、Dステッピングではほぼ変わらないスコアになるかもしれません。と言っても、体感できるほどではないと思いますが。

Celeron N3060のスペック

2015年2月時点で、Braswell世代のCPUとしてはCeleron N3050が格安PCで使われているのをよく見かけます。今後、徐々にCeleron N3060に移行していくのでしょうか。ただインテルからはDステッピングのBraswellを組込み機器向けに展開していくような雰囲気を感じますので、一般向けのPCに広く普及するかどうかはわかりません。

 

Celeron N3060/Celeron N3050/Celeron N2840の違い
CPU名 Celeron N3060 Celeron N3050 Celeron N2840
開発コード Braswell Bay Trail-M
ステッピング D C
コア数/スレッド数 2/2
動作周波数 1.6GHz 2.16GHz
バースト周波数 2.48GHz 2.16GHz 2.58GHz
キャッシュメモリー 2MB(L2)
TDP 6W 7.5W
グラフィックス Intel HD Graphics 400 Intel HD Graphics(第8世代) Intel HD Graphics(第7世代)
グラフィックス動作周波数 320MHz 313MHz
グラフィックス最大動作周波数 600MHz 854MHz
実行ユニット数 12 4

 

Celeron N3060の変更点も、前述のモデルと同じ。バースト周波数が2.16GHzから2.48GHzに変わり、iGPUがIntel HD Graphics 400にリネームされました。

 

旧世代のCeleron N2840と比べると、バースト周波数がだいぶ近づきました。Celeron N3050とCeleron N2840ではCPUのベンチマークスコアに明らかな違いがあって旧モデルのCeleron N2840のほうがスコアが高かったのですが、Celeron N3060ではあまり変わらない結果になるかもしれません。

 

現状Celeron N2840の人気(というか、PCベンダーからの信頼)は根強くて、いまだに新モデルで使われていることがあります。なんというか、14nmプロセスルールのCPUの製造がそれほど難しいということなんでしょうかね。今後のBraswellの躍進に期待したいところです。

 

Celeron N3010のスペック

最期は下位モデルのCeleron N3010について。前モデルのCeleron N3000は自作界隈でしか使われなかった印象があるので、ノートPC主体の人ならチェックしておかなくてもいいかもしれません。

 

Celeron N3010/Celeron N3000/Celeron N2840の違い
CPU名 Celeron N3060 Celeron N3050 Celeron N2808
開発コード Braswell Bay Trail-M
ステッピング D C
コア数/スレッド数 2/2
動作周波数 1.04GHz 1.58GHz
バースト周波数 2.24GHz 2.08GHz 2.25GHz
キャッシュメモリー 2MB(L2) 1MB(L2)
TDP 4W 4.5W
グラフィックス Intel HD Graphics 400 Intel HD Graphics(第8世代) Intel HD Graphics(第7世代)
グラフィックス動作周波数 320MHz 311MHz
グラフィックス最大動作周波数 600MHz 792MHz
実行ユニット数 12 4

 

Celeron N3060では、バースト周波数が旧モデルの2.08GHzから2.24GHzに向上しました。また旧世代のCeleron N2808とは0.01GHz(10MHz)しか変わらず、総合的な性能は確実に上がっていると言えるでしょう(L2キャッシュメモリーはBraswell世代のほうが多いため)。ただ繰り返しになりますが体感できるほど高速化されているわけではなく、Celeron N3000よりもCPUとしての安定性が向上したと捉えるのが吉です。

 

CeleronN3010/3060/3160のベンチマーク結果

参考までに、cpu-monkeyによる各CPUのベンチマーク結果を紹介します。この結果が正しいとすれば、新CPUは旧CPUよりも10%程度性能が向上していると言えるでしょう。このあたりは引き続きウォッチしていこうと思っておりまして、新情報が公開されましたら当サイトでもお伝えする予定です。

 

Braswell世代のCeleronシリーズベンチマーク結果 ※参照元:cpu-monkey

Braswell世代のCeleronシリーズベンチマーク結果 ※参照元:cpu-monkey

 

※2016年2月15日 追記

上記のグラフでデータを参照したcpu-monkeyには、出荷前のCPUのスコアが掲載されていることもあるようです。どのような基準でスコアを割り出しているのか不明ですが、あくまでも参考程度に考えてください。

デスクトップ向けにJシリーズが登場

インテルからさらにデスクトップ向けのBraswell世代Dステッピング製品として、Pentium J3710とCeleron J3160、Celeron J3060の3種類がリリースされています。今後自作PCや格安デスクトップPCで使われるかもしれません。ちなみにBraswell世代のデスクトップPC向けは、この3種類が初です。

 

Braswell世代のデスクトップPC向けJシリーズ
CPU名 Pentium J3710 Celeron J3160 Celeron J3060
開発コード Braswell
コア数/スレッド数 4/4 2/2
動作周波数 1.6GHz
バースト周波数 2.64GHz 2.24GHz 2.48GHz
キャッシュメモリー 2MB(L2)
TDP 6.5W 6W
グラフィックス Intel HD Graphics 405 Intel HD Graphics 400
グラフィックス動作周波数 400MHz 320MHz
グラフィックス最大動作周波数 740MHz 700MHz
実行ユニット数 18 12

 

値段差がなければ新CPUのほうが安心

ということで、今回はBraswell世代のDステッピング製品について紹介しました。モバイル/組込み機器向けのラインとしては新しいCPUのほうが安定性があるのですが、基本性能自体はそれほど変わらないとも言えます。値段が大きく変わらないのであれば新CPUを選んだほうがいいのですが、Cステッピング製品のほうがだいぶ安いのであればそちらを選ぶのもアリでしょう。用途や好みに応じて、選んでください。

 

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