2017~2018年に発売されたノートPCには、インテルの第8世代Coreプロセッサーがよく使われています。なかでも特によく使われているのが、Core i5-8250UというCPUです。
Core i5-8250U概要
開発コード | Kaby Lake R |
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コア数 / スレッド数 | 4 / 8 |
動作周波数 | 1.6GHz |
最大動作周波数 | 3.40GHz |
TDP | 15W |
内蔵グラフィックス | Intel UHD Graphics 620 |
これからノートPCを購入しようとしている方のために、この記事ではCore i5-8250Uの性能について紹介します。
https://little-beans.net/tokushu/corei5-laptop/
ほかのCPUとの性能比較
まずは、当サイトで実施したCPUベンチマークテストの結果を紹介します。なおベンチマーク結果はパーツ構成やタイミング、環境、個体差などにより大きく変わることがあることをあらかじめご了承ください。
一般ノートPC向けCPUとの比較
結論から言うとCore i5-8250Uは、スタンダードノートPC向けとしては非常に高性能です。以下のグラフは、当サイトで実施したCPUベンチマークテストの結果をまとめたもの。このグラフを見ると、ここ1~2年でよく使われているノートPC向けCPUのなかでも、同じ第8世代のCore i7-8550Uに次ぐ抜群の性能であることがわかります。
ほかのCPUとの性能比較(ノートPC)
CPU | PassMark CPU Markスコア |
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Core i7-8550U |
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Core i5-8250U |
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Core i7-7500U |
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Core i5-7200U |
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Core i3-7100U |
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Core i3-6006U |
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Celeron N4100 |
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Celeron 3865U |
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Celeron N4000 |
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※2018年12月14日時点での当サイトの平均値
注目したいのは、前世代のCore i7-7500Uを大きく上回っている点です。ベンチマークのスコア比ではおよそ1.53倍、Core i5-7200Uとは1.72倍もの差があります。テストには誤差がつきものであることを考えても、前世代のCPUより大きくパフォーマンスアップしていると考えていいでしょう。
ゲーミングノートPC向けCPUとの比較
ゲーミングノートPC向けのハイエンドCPUである「Hシリーズ」と比べると、さすがにちょっと見劣りします。ただHシリーズは重いゲームを動かすためのCPUですから、スタンダードノートPC向けの「Uシリーズ」であるCore i5-8250Uのほうが性能が低いのは当然です。
ほかのCPUとの性能比較(ゲーミングノートPC)
CPU | PassMark CPU Markスコア |
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Core i7-8750H |
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Core i5-8300H |
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Core i7-7700HQ |
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Core i7-8550U |
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Core i5-8250U |
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※2018年12月14日時点での当サイトの平均値
とは言え前世代のCore i7-7700HQと比べると、Core i5-8250Uとそれほど大きな差があるわけでもありません。Core i5-8250Uは旧世代のゲーミングノートPC向けCPUに迫るほどのパフォーマンスであると言えます。
デスクトップPC向けCPUとの比較
これまで「ノートPCはデスクトップPCよりも性能が格段に低い」と言われてきました。最新CPUで比べれば確かにそのとおりですが、1~2年前に発売されていた第7世代のCore i5やCore i3と比べるとCore i5-8250Uはベンチマークスコアで上回っています。
ほかのCPUとの性能比較(デスクトップPC)
CPU | PassMark CPU Markスコア |
---|---|
Core i7-8700 |
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Core i5-8400 |
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Core i7-7700 |
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Core i7-6700 |
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Core i7-8550U |
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Core i5-8250U |
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Core i3-8100 |
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Core i5-7400 |
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Core i3-7100 |
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※2018年12月14日時点での当サイトの平均値
この結果を見る限りでは、「Core i5-8250Uはちょっと前のデスクトップPC向けCPUよりも高性能」と言っていいかもしれません。CPUパフォーマンスの面だけで考えるなら極端に安いデスクトップPCを買うよりも、Core i5-8250U搭載ノートPCを選んだほうが快適である可能性が高いでしょう。
Core i5-8250U搭載機種ごとの違い
上記で使ったCore i5-8250Uのベンチマークスコアは平均値で、実際の結果にはバラツキがあります。2018年12月14日時点で当サイトでテストした機種は以下の13機種です。
Core i5-8250U搭載機別のベンチマーク結果
機種名 | PassMark CPU Markスコア | サイズ | ボディ |
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m-Book J350 | 7603 | 13.3型 | 樹脂 |
ideapad 520 | 7784 | 15.6型 | 一部樹脂 |
HP Pavilion 15-cc100 | 7857 | 15.6型 | 一部樹脂 |
HP Pavilion 15-cs0000 | 8052 | 15.6型 | 一部樹脂 |
ideapad 520 | 8328 | 15.6型 | 一部樹脂 |
ideapad 330 | 8554 | 14型 | 樹脂 |
Inspiron 15 3576 | 8591 | 15.6型 | 樹脂 |
Critea VF-AGKR SSD | 8661 | 15.6型 | 樹脂 |
HP Spectre x360 | 8890 | 13.3型 | アルミ |
Altair F-13KR | 8896 | 13.3型 | アルミ |
Surface Laptop 2 | 8955 | 13.5型 | アルミ |
ThinkPad E580 | 8985 | 15.6型 | 一部樹脂 |
Surface Pro 6 | 9270 | 12.5型 | マグネシウム |
https://little-beans.net/tokushu/corei5-laptop/
ベンチマーク結果はタイミングや環境、個体差によっても大きく変わるため、この結果が各機種のパフォーマンスを正確に表わしているわけではありません。しかし機種によっては同じCore i5-8250Uを搭載していてもベンチマーク結果に大きな差が出ることは覚えておいてください。
また上記の結果からは、ボディに金属素材が使われているものほどスコアが高い傾向が見られます。金属素材を使ったノートPCは高級機であることが多いため、内部設計やドライバーの仕上がりがしっかりしているのかもしれません。しかし本体の熱という側面で考えると、熱伝導率が高い金属を使ったボディは排熱効率に優れるためCPU本来の性能を出せているとも考えられます。
ビジネスや普段使い向けならコスパは高い
ベンチマーク結果を見る限りでは、Core i5-8250Uは前世代の一般ノートPC向けCPUから大きくパフォーマンスアップしています。2年以上前のノートPCで重い作業をしていたなら、体感速度は大きく改善されるはずです。特に動画編集や画像処理などでは、差が大きく感じられるかもしれません。
もっとも、本格的な動画編集や画像処理に使うなら、上位のCore i7-8550UやCore i7-8750Hがおすすめです。しかし小規模な作品作りであれば、Core i5-8250Uでもある程度はこなせるでしょう。
もちろん仕事やプライベートでの利用にも、Core i5-8250U搭載ノートPCはおすすめです。コストパフォーマンスの面で考えれば、一般的な作業ならCore i7-8550UよりもCore i5-8250Uのほうが優れています。普段使い用にノートPCの購入を検討している方は、ぜひCore i5搭載モデルを検討してみてください。
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