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Pentium Gold 4415Y の性能は? Surface Goのベンチマーク結果からパフォーマンスを解説

Pentium Gold 4415Y

マイクロソフトのSurface Goには、「Pentium Gold 4415Y」というCPUが使われています。このCPUは比較的マイナーで搭載機種が少ないため、実際の性能についてイメージしづらい人が多いのではないでしょうか。

 

そこでこの記事では、Pentium Gold 4415Yの特徴と実際にSurface Goで実施したCPUベンチマークの結果をまとめています。Surface Goの購入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

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インテル製CPUの種類とPentiumの位置付け

「Pentium(ペンティアム)」とは、インテル製CPUのなかでも価格の安さを重視したCPUのブランド名です。2006年ごろまではハイエンド向けCPUとしてその名称が使われていましたが、インテルが「Core」シリーズを上位ブランドとして立ち上げてからは下位CPUに位置付けられています。

 

ただし、さらに安いCeleronシリーズのほうが格安PCでよく使われており、Pentiumを搭載する機種は非常に少ないのが現状です。

 

インテル製CPUの違い(性能の高い順)
ブランド名 特徴 主な用途
Xeon(ジーオン) 先端技術をふんだんに使った超高性能CPU 企業向けサーバー、CG制作
Core i9(コアアイナイン) 個人向けとしてはほぼ最高クラスの高性能なCPU。10~18コア 高性能(ハイエンド)パソコン、ゲーム用パソコン
Core i7(コアアイセブン) かなり高性能な上級CPUで、処理速度が速い。2~8コア 個人向け高性能(ハイエンド)パソコン、業務用パソコン
Core i5(コアアイファイブ) 中程度の性能と言われるが、処理速度は速い。2~4コア 個人向けパソコンの標準モデル
Core i3(コアアイスリー) Core i5よりは劣るものの、十分実用的な性能。2コア 廉価版モデル
Core M(コアエム) 性能はCore i3よりやや低いものの、省電力性能が高い。2コア 2-in-1パソコン、タブレット
Pentium(ペンティアム 性能をさらに落とした廉価版CPU。2~4コア 低価格パソコン
Celeron(セレロン) 計算性能よりも省電力性能を重視した格安なCPU。2~4コア 格安パソコン、一体型PC
Atom(アトム) 省電力性能に特化したCPU。2~4コア タブレット、小型パソコン、スマートフォン、サーバー機器

Pentium Goldの「Gold」とは?

2017年にインテルは従来のPentiumシリーズを「Gold」と「Silver」の2種類に分類しました。それまではデスクトップPC向けのPentium G/JシリーズあるいはノートPC向けのPentium U/Y/Nシリーズとアルファベットで区別されていましたが、GoldとSilverの名称を加えることで、どちらが上位のCPUであるかを明確にするのが狙いだと思われます。

 

Pentium Goldシリーズでは、Core i3/i5/i7シリーズのアーキテクチャ(CPUの製造方法)が用いられています。ノートPC向けでは、従来のPentium UシリーズとPentium Yシリーズが相当します。性能が高いのはUシリーズのほうで、Yシリーズは性能を抑えた省電力版という位置付けです。

 

Pentium Silverでは、タブレット向けCPUとして使われているAtomシリーズと同じ流れを組むアーキテクチャが使われています。もともとAtomシリーズは計算性能よりも省電力性能を重視したCPUでしたから、Pentium Silverシリーズの性能も控えめです。

 

ノートPC向けPentiumシリーズの分類

ブランド シリーズ名 性能 主なCPU
Gold Uシリーズ Pentium Gold 4415U
Yシリーズ やや低い Pentium Gold 4415Y
Pentium Gold 4410Y
Silver Nシリーズ Pentium Silver N5000

 

Pentium Gold/Silverの主な仕様

Pentium Gold 4415Y Pentium Gold 4410Y Pentium Gold 4415U Pentium Silver N5000
発売日 2017年第2四半期 2017年第1四半期 2017年第1四半期 2017年第4四半期
コア数/スレッド数 2/4 2/4 2/4 4/4
周波数 1.60GHz 1.50GHz 2.30GHz 1.10GHz
バースト周波数 2.70GHz
TDP 6W 6W 15W 6W
内蔵グラフィックス HD Graphics 615 HD Graphics 615 HD Graphics 610 HD Graphics 605
グラフィックス動作周波数 300MHz 300MHz 300MHz 200MHz
グラフィックス最大動作周波数 850MHz 850MHz 950MHz 750MHz

Pentium Gold 4415Yのベンチマーク結果

ここからは、Pentium Gold 4415Yのベンチマーク結果を紹介します。テストに使った機種はSurface Go 1機種のみですので、かならずしもCPU本来の性能を表わしているわけではありません。またベンチマーク結果はパーツ構成や本体の冷却性能、チューニング、環境、タイミング、個体差など、さまざまな要因によって大きく変わることがあります。そのため、結果はあくまでも参考程度に考えてください。

 

なおPentium Gold 4415Yのベンチマークテストについてはタイミングによる数値のブレを減らすためにテストを5回行ない、その平均値を使用しています。

※9月上旬にPentium Silver N5000のベンチマークスコアを追加する予定です

CINEBENCH R15ベンチマーク結果

CINEBENCH R15は、CPUの計算性能を評価するベンチマークソフトです。3D CGのレンダリング速度から、シングルコア/マルチコア使用時のCPU性能を評価します。コア数(スレッド数)とクロック(動作周波数)によってスコアが派手に変わるため性能を捉えやすくPCのレビュー記事ではよく使われますが、必ずしもCPUの総合的な計算性能を表わしているわけではない点に注意してください。

 

CINEBENCH R15

CINEBENCH R15

 

まずはマルチコア(マルチスレッド)性能を表わす「CPU」のスコアから。Pentium Gold 4415Yでは、2コアの低価格CPUとしては比較的高い結果となりました。とは言え、中位クラスのCore m3やCore i3には及びません。マルチスレッドで動作する高度な処理については、苦手であると考えたほうが良さそうです。

 

CPU性能比較(マルチコア)

名称 開発コード コア数 CINEBENCH R15スコア マルチコア
Core i7-8550U Kaby Lake-R 4
569
Core i5-8250U Kaby Lake-R 4
566
Core i7-7500U Kaby Lake 2
342
Core i5-7200U Kaby Lake 2
328
Core m3-7Y30 Kaby Lake 2
261
Core i3-7100U Kaby Lake 2
253
Celeron N4100 Gemini Lake 4
223
Core i3-6006U Sky Lake 2
212
Celeron N3450 Apollo Lake 4
172
Pentium Gold 4415Y Kaby Lake 2
163
Celeron 3865U Kaby Lake 2
138
Celeron N4000 Gemini Lake 2
137
Celeron N3350 Apollo Lake 2
87

※ほかのCPUのスコアは当サイト計測の平均値

 

シングルコア(シングルスレッド)のテストでは順位がやや下がり、下位モデルのなかでも中位ぐらいに位置しています。ただしこれは2017年末にリリースされたGemini Lake世代のCeleron N4000/N4100が、動作周波数を一時的に引き上げる機能に対応したため。新世代のCeleronの性能が急上昇したため、相対的にPentium Gold 4415Yの順位が下がってしまったということです。

 

CPU性能比較(シングルコア)

名称 開発コード コア数 CINEBENCH R15スコア シングルコア
Core i7-8550U Kaby Lake-R 4
163
Core i5-8250U Kaby Lake-R 4
145
Core i7-7500U Kaby Lake 2
144
Core i5-7200U Kaby Lake 2
129
Core i3-7100U Kaby Lake 2
101
Core m3-7Y30 Kaby Lake 2
90
Core i3-6006U Sky Lake 2
81
Celeron N4000 Gemini Lake 2
75
Celeron 3865U Kaby Lake 2
73
Celeron N4100 Gemini Lake 4
72
Pentium Gold 4415Y Kaby Lake 2
65
Celeron N3350 Apollo Lake 2
49
Celeron N3450 Apollo Lake 4
47

※ほかのCPUのスコアは当サイト計測の平均値

PassMark PerformanceTestベンチマーク結果

PassMark PerformanceTestはPCの性能を各パーツごとに評価するベンチマークソフトです。ベンチマーク結果は5種類のスコアで表わされるのですが、そのなかのひとつ「CPU Mark」で総合的なCPU性能を把握することができます。この結果は開発元であるPassMark SoftwareのCPU Benchmarksに送信され、ほかのCPUとスコアを比較可能です。

 

PassMark PerformanceTest 9.0 CPU Mark

PassMark PerformanceTest 9.0 CPU Mark

 

CPU Markでは整数演算や浮動小数点演算のほかに、SSE(拡張命令)や物理演算、データ圧縮などのテストも含まれます。前述のCINEBENCH R15よりも、総合的なCPU性能を計測できると言えるでしょう。

 

このテストではCINEBENCH R15のときよりも順位が上がっています。それでも下位クラスではあるのですが、低価格CPUとしては比較的高性能であると言えるでしょう。限定的なテストでは成績がよくないものの総合点は悪くないということは、CPUとしての汎用性が高いと言えるかもしれません。

 

CPU性能比較(CPU Mark)

名称 開発コード コア数 PassMark CPU Markスコア
Core i7-8550U Kaby Lake-R 4
9077
Core i5-8250U Kaby Lake-R 4
8367
Core i7-7500U Kaby Lake 2
5600
Core i5-7200U Kaby Lake 2
4949
Core m3-7Y30 Kaby Lake 2
3876
Core i3-7100U Kaby Lake 2
3785
Core i3-6006U Sky Lake 2
3175
Celeron N4100 Gemini Lake 4
2567
Pentium Gold 4415Y Kaby Lake 2
2321
Celeron N3450 Apollo Lake 4
2073
Celeron 3865U Kaby Lake 2
2035
Celeron N4000 Gemini Lake 2
1553
Celeron N3350 Apollo Lake 2
1264

※ほかのCPUのスコアは当サイト計測の平均値

 

さらに前の世代のCPUについては手元にデータがないため、前述のPassMark CPU Marksのデータを参照しました。Pentium Gold 4415Yは性能的に4年前のCore i3-4005Uに近いと言えます。

 

旧世代のCPUとの性能比較(CPU Mark)

名称 開発コード コア数 PassMark CPU Markスコア
Core i7-5500U Broadwell(2015) 2
3973
Core i5-5200U Broadwell(2015) 2
3488
Core i3-5005U Broadwell(2015) 2
2906
Core i7-4500U Haswell(2014) 2
3789
Core i5-4200U Haswell(2014) 2
3284
Core i3-4005U Haswell(2014) 2
2447
Pentium Gold 4415Y Kaby Lake 2
2321

※参考:PassMark CPU Marks

グラフィックス性能

Pentium Gold 4415Yではグラフィックス機能として、CPU内蔵のIntel HD Graphics 615を使います。グラフィックス性能はメインメモリーの容量によっても変わるため同じCPUを使っていてもスコアにばらつきがあるのですが、大まかな目安として考えてください。

 

3Dグラフィックス性能の計測には、3DMarkのFire Strikeを利用しました。これはゲーミング性能を計測するためによく使われるテストで、Direct X11を使用したフルHD(1920×1080ドット)時のパフォーマンスを計測します。

 

3DMark Fire Strike

3DMark Fire Strike

 

Pentium/CeleronではCore iアーキテクチャ系とAtom系とで、グラフィックス性能に大きな違いがあります。Core iアーキテクチャのY/Uシリーズのほうがグラフィックス性能が高く、Atom系のNシリーズはパフォーマンスがグッと下がるのが一般的です。実際のベンチマークスコアでも、低価格CPUとしては高い結果となりました。

 

内蔵グラフィックス機能による3D性能の比較

名称 グラフィックス機能 3DMark Fire Strikeスコア
Core i7-8550U Intel UHD Graphics 620
1071
Core i5-8250U Intel UHD Graphics 620
994
Pentium Gold 4415Y Intel HD Graphics 615
788
Core i3-7100U Intel HD Graphics 620
676
Celeron 3865U Intel HD Graphics 610
497
Celeron N4100 Intel UHD Graphics 600
366
Celeron N4000 Intel UHD Graphics 600
349
Celeron N3450 Intel HD Graphics 500
329
Celeron N3350 Intel HD Graphics 500
277

 

だからと言って3Dゲームを快適に遊べるほどの性能ではありません。ドラクエ10など軽めの3Dゲームを、1280×720ドットの低画質でなんとか遊べる程度です。グラフィックス重視のゲームを楽しむのであれば、GeForce GTX 10シリーズなどの専用グラフィックス(dGPU)を搭載したゲーミングPCをおすすめします。

性能はあくまでも低価格PC向け

Pentium Gold 4415Yは低価格PC向けのCPUということで、ベンチマークテストでもそれなりの結果が出ました。3~4万円台の格安ノートPCよりは性能が高いものの、中位クラスのCore i3には及びません。3D制作や動画編集などの高度な処理には向いておらず、ネットやメール、動画視聴やちょっとした文書作成などのライトな利用に適しています。

 

とは言うものの、CPUのベンチマーク結果が実際の使用感を決めるわけでもありません。メモリー容量やストレージ性能、あるいは利用するソフトなどによっても体感速度は大きく変わります。実際の使用感については、搭載機種のレビュー記事でご確認いただくことをおすすめします。

 

Pentium Gold 4415Y搭載ノートPCのレビュー&解説記事

 

なお当サイトでは最新のCore i7搭載モデルから2万円台の超格安モデルまで、さまざまなノートPCを随時検証しています。最新情報やお買い得情報を知りたい方は当サイトのトップページをブックマークするか、当サイトのtwitterアカウントをフォローすることをおすすめします。

 

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こまめブログ

元雑誌・書籍編集者からPC系フリーライターを経て、レビューブロガーとして活動しているオジサンです。文章に関わる仕事を始めてから25年以上。最高195万PV/月。安いガジェットやPCをよく買いあさっています

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