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念願のクラムシェル型Surfaceが登場!
2017年5月26日、日本マイクロソフトはSurfaceシリーズの新モデルとして「Surface Laptop」、「New Surface Pro」、「Surface Studio」3機種を国内で販売することを発表しました。
なかでも筆者が特に気になったのは、クラムシェル型ノートパソコンのSurface Laptopです。従来のSurfaceシリーズは2-in-1でしたが、ついに普通に使えるノートパソコンが登場しました。
そのSurface Laptopを発表会で実際に触れてきましたので、今回は感想をファーストインプレッション(第一印象)レビューとしてお届けします。
この記事の目次
Surface Laptop
税込み 13万6944円から
https://little-beans.net/review/surface-go/
https://little-beans.net/surface/
Surface Laptopのスペック
Surface LaptopにはCore i5モデルとCore i7モデルが用意されており、さらにそれぞれストレージやメモリー容量の異なる2機種がラインナップされています。主なスペックは、以下の表のとおり。
■Surface Laptopのスペック
CPU | 第7世代 Core i5 / i7 |
---|---|
グラフィックス | Intel HD Graphics 620(Core i5選択時) / Intel Iris Plus Graphics 640(Core i7選択時) |
メモリー | 4/8/16GB |
ストレージ | 128/256/512GB SSD |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | 13.5型、2256×1504ドット、光沢、タッチ対応、Surfaceペン対応 |
無線機能 | IEEE802.11a/b/g/n/ac対応無線LAN、Bluetooth 4.0 |
インターフェース | USB3.0、Mini DisplayPort、Surface Connect、ヘッドホン出力 |
Webカメラ | HD 720p(92万画素相当)、Windows Hello対応顔認証カメラ |
バッテリー | 14.5時間(動画再生時) |
サイズ/重量 | 幅308.1×奥行き223.27×高さ14.48mm/1.25kg |
CPUはCore i5-7200U
公式スペックではCPUが「第7世代 Core i5」としか書かれていませんが、展示機を確認したところCore i5-7200Uが使われていました。CPU性能はけっこう高めで、十分なパフォーマンスを期待できそうです。
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Surface LaptopにはCore i7モデルも用意されているのですが、こちらについては実際のCPUを確認できませんでした。しかしグラフィックス機能としてIntel Iris Plus Graphics 640が搭載されているのはCore i7-7660UとCore i7-7560Uしかありません。このうちのどちらかが使われていると思われます。
ちなみに、従来のSurfaceシリーズではインテルのビジネス向け機能である「vPro」対応のCPUが使われていました。この路線を踏襲するならおそらくvPro対応のCore i7-7660Uが使われていると予想できます。しかしCore i5モデルで使われているCore i5-7200UはvPro非対応ですので、Core i7でもvPro非対応のCore i7-7650Uかもしれません。
個人的には、法人需要も見据えた上でCore i7-7660Uを使っているのではないかと思います。有料オプションとしてWindows 10 SからWindows 10 Proのアップグレード(2017年内は無料)を用意しているのは、ターゲットを広げるためではないかと思うからです。もっとも、学生にもWindows 10 Proの需要はあるのでしょうけれども……。
ストレージはPCIe接続 SSD
公式スペックでは、ストレージが128/256/512GB SSDとされています。ストレージの種類についても展示機で確認したところ、サムスン製のPCIe接続SSD「PM971」が使われていました。256GBモデルならシーケンシャルリードは1400MB/秒、シーケンシャルライトは800MB/秒と高速です。
関連リンク
- PM971 256GBモデル(サムスン)※英語
※追記:以前はPM961と説明していましたが、正しくはPM971でした。文中ではすでに訂正しています
128GBと512GBモデルは確認していませんが、おそらく同じようなSSDが使われていると考えていいでしょう。出荷タイミングによってはほかのSSDが使われている可能性もありますが、PCIe接続のSSDが使われていると考えていいはずです。
※追記:購入した実機を確認したところ、東芝のB2シリーズ(THNSN0256GTYA)が搭載されていました。
OSはWindows 10 S! Proに無料でアップグレード可
Surface Laptopのもっとも大きな特徴は、OSにWindows 10 Sが使われている点です。Windows 10 SはWindows 10向けのストアアプリ(UWPアプリ)のみ動作する特殊なエディション。機能が絞られている代わりに軽快に動作するのが魅力ですが、従来のデスクトップ版アプリは利用できません。
関連リンク
- Windows 10 Sに関してよくあるご質問(マイクロソフト)
- Windows 10 Sについて(マイクロソフト)
個人的には普段ストアアプリをまったく使わないため、Windows 10 Sにはあまり魅力を感じません。Surface LaptopではなくCeleronやAtomを搭載した格安パソコンなら、Windows 10 Sであることに大きな意義があるでしょう。しかし比較的高性能CPUを搭載するSurface Laptopで、ストアアプリを積極的に使う必要はないと思います。
ちなみにSurface Laptopは、いつでもWindows 10 Proにアップグレード可能です。しかも本来アップグレードに料金がかかるのですが、2017年いっぱいは無料とのこと。これは、Windows 10 Proに切り替えたほうがいいですよね。だったら始めからWindows 10 Proにすればいいのにとも思いますが、いろいろと事情があるのでしょう。たとえば○○○との関係とか。
Officeは2016が付属?
これまでのSurfaceシリーズにはOffice Home and Business Premiumが付属していましたが、Surface Laptopには「Premium」ではないオフィスが付属するようです。マイクロソフトは「Office Mobile」ではないフル機能のオフィスをストアアプリとして販売することを発表しているので、これが付属するのかもしれません。ストアアプリ版なら、UWPアプリしか使えないWindows 10 Sでも対応できるからです。
実際、Surfaceシリーズの発表会でマイクロソフトの人に聞いたところ、Surface Laptopには「Office 2016」がプリインストールされるとのことでした。
ただしマイクロソフトのSurface Laptop紹介ページでは、特別オファーとして「一年間の Office 365 Personal 使用」と明記されています。UWP版のOffice 365が使えるのに、Office 365 Personalが使えるというのは、どういうことでしょうか? ExcelやWord、PowerPoint以外の機能も利用できるとうことでしょうか?
このあたりはまだ不明ですので、詳細がわかりしだい追記する予定です。もっとも、New Surface Proでは「Office 30 日無料体験」と書かれているので、そもそもページに書かれている内容に間違いがあるのかもしれません(マイクロソフトによると、New Surface ProにはOffice Home and Business Premiumが付属するとのこと)。
追記:実機にはOffice Home and Business 2016のUWP版が付属していました。Office ~ Premiumとは違って、最新版へのアップグレードはできません。
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Surface Laptopの本体デザイン
待ち望んでいたクラムシェル型!
Surface Laptopは、Surface史上もっとも「普通な」デザインを採用しています。しかしこの形こそが、誰もが望んでいたものではないでしょうか。少なくとも筆者は、一般的なクラムシェル型のデザインを採用している点をとても喜ばしく思っています。
本体カラーには、プラチナとコバルトブルー、バーガンディー、グラファイトゴールドの4色が用意されています。ただし、最初に発売されるのはプラチナのみ。ほかの3色については、随時発売されるそうです。
※追記:7/21時点で、プラチナ以外の3色のモデルが発売されたのを確認しました。この3色については現在のところ、Core i5+8GBメモリー+256GB SSDモデルのみです。
モバイルノートPCとしてはやや大きめ
フットプリント(設置面積)は、幅308.1×奥行き223.27mm。A4サイズ(幅297×奥行き219mm)と比べてひとまわり(長辺がプラス約1cm、短辺がプラス約6mm)大きいと考えれば、サイズ感をイメージしやすいでしょう。ちなみに、NECの13.3型ノートパソコン「LAVIE Hybrid Zero(Direct HZ)」のフットプリントは幅305×奥行き205mm。一般的な13.3型よりもサイズがちょっと大きめです。
高さは14.48mmです。モバイルノートパソコンとしては、標準よりもやや薄めといったところでしょうか。特別薄いわけではありませんが、厚さが気になるほどでもありませんでした。
質感と剛性に優れるアルミボディ
重量は約1.25kgです。NECのLAVIE Hybrid Zero(Direct HZ)や富士通のLIFEBOOK UH75/B1(WU2/B1)が700g台ですので、数値的にはそれほど軽いわけではありません。
これらの製品に比べて重量が軽くない理由は、ボディの素材にアルミニウムが使われているためです。従来のSurfaceシリーズではマグネシウム合金が使われていましたが、もしかするとコストを抑えるためにアルミニウムに変えたのかもしれません。
もっとも海外のPCユーザー(特にアメリカ)は軽さよりも頑丈さを求める傾向がありますので、質感と剛性に優れるアルミニウムが選ばれるのは当然と言えるでしょう。
Pixel Senseディスプレイの映像が鮮やか
Surface Laptopは、13.5型で解像度2256×1504ドットの液晶ディスプレイを搭載しています。画素密度(画面のきめ細かさを表わす単位)は201ppi。13.3型フルHD(1920×1080ドット)だと166ppiですので、その約1.2倍に相当します。実際に画面の文字を確認しましたが、ドット感はほとんど感じられませんでした。もっとも、画素密度についてはNew Surface ProやSurface Bookのほうが高く(267ppi)、これらのほうが写真や文字が精細に表示されます。
Surface Laptopで使われているPixel Senseディスプレイはコントラストが高く、発色に優れている点がポイントです。展示機では実際に写真などで確認することはできませんでしたが、おそらくSurface Pro 4やSurface Bookと同等レベルの映像品質を期待していいでしょう。
またタッチ操作やSurfaceペンを使ったペン入力に対応しているほか、保護ガラスに耐傷性の高いゴリラガラス3が使われている点もポイント。ただし液晶ディスプレイの表面は、光沢のあるグレア仕上げです。
Surface Proよりも使いやすいキーボード
あくまでも個人的な感想なのですが、筆者はSurfaceシリーズのタイプカバーが好きではありません。なぜならタイプ時にベコベコと音がするのと、キーを押したときにたわみが生じるためです。人によってはまったく気にならないかもしれませんが、筆者は日常的に使う気になれませんでした。
しかし、Surface Laptopのキーボードは非常に使いやすく感じました。キーピッチは1.9mmで、キーストロークは1.5mmとのこと。タイプ時に十分なクリック感があり、確かな手応えを感じます。たわみは多少あるものの、タイプカバーほどではありません。いい意味で、普通に使えるキーボードです。
タイプ音は控えめで、軸のブレによるカチャカチャとしたノイズは聞こえませんでした。強めに打てばそれなりに響くかもしれませんが、普通に使うぶんにはタイプ音は気にならないでしょう。静音性の高いキーボードです。
手触りのいいファブリック仕様
Surface Laptopのキーボードフレームおよびパームレストには、「アルカンターラ」と呼ばれるファブリック素材が使われています。サラサラとした手触りで、高級感のある仕上がりです。水や汚れにも強いとのことで、実用性についても十分な仕上がりになっています。
アルカンターラ素材は、触ったときに温かみを感じます。そのため、パームレストに手が触れても堅さや冷たさを感じません。冷たくない素材としてはデルのXPSシリーズで使われているカーボンファイバーがありますが、カーボンよりも質感に優れているように感じました。
SDカード非対応なのが残念!
インターフェースとしては、USB3.0、Mini DisplayPort、Surface Connect、ヘッドホン出力が用意されています。メモリーカードリーダーは非対応である点に注意してください。端子の数はそれほど多くありませんが、別売りのSurfaceドックを使えば、USB3.0×4、有線LAN、Mini DisplayPort×2を追加できます。とは言うものの、メモリーカードリーダーがないならせめてあとひとつUSB端子があればとは思います。
Surface Laptopの価格は12万6800円から
Surface Laptopの発売日は7/20からで、値段は4GBメモリー+128GB SSDモデルが税別12万6800円(税込み13万6944円)、8GBメモリー+256GB SSDモデルが税別14万6800円(税込み15万8544円)です。機能をフルに活かすなら、メモリーは最低でも8GBは必要でしょう。
約16万円という価格は、パソコンとしてはやや高めです。しかしオフィス付きでタッチ操作/ペン入力に対応、高解像度のPixel Senseディスプレイを採用していることなどを考えれば、法外に高いというわけでもありません。むしろほかのメーカーなら、20万円近くになる可能性もあります。
ただCore i5で16万円だと、Core i7だといったいいくらになることやら……。
機能面ではワンランク上
ということで、今回は国内販売が発表されたSurface Laptopの展示機を使ったファーストインプレッションレビューをお届けしました。詳細なパフォーマンスについては実際にベンチマークテストを行なわないとわかりませんが、展示を使ってみた限りでは動きは軽快です。展示機はWindows 10 Proだったので、Windows 10 Sならさらにサクサクと動くかもしれません。
ところでマイクロソフトはSurface Laptopを学生向けのように紹介していますが、Windows 10 Proにアップグレードすれば、仕事でもバリバリ活用できます。キーボードも(いままでのSurfaceシリーズよりは)使いやすいですし、ペン入力はメモの作成や資料の訂正などに便利です。おそらくマイクロソフト自身も、ビジネス利用を狙っているのではないでしょうか。
たとえば他社製の13.3型のモバイル向けハイエンドモデルなら、Core i5+8GBメモリー+256GB SSDの構成で10~15万円程度です。Office Home and Business Premiumを追加すれば、プラス3万円程度。Surface Laptopと値段的にはそれほど変わりません。
しかしSurface Laptopは高解像度でタッチ操作/ペン入力対応の液晶ディスプレイを搭載していますから、機能的には既存のモデルを上回っています。同じ予算でより高機能であるなら、Surface Laptopを選ばない理由はないでしょう。とにかく軽い方がいいとか、薄いほうがいいと言うなら別ですが。
そんなわけでSurface Laptopはなかなかコスパが高いわけですが、コスパの高すぎるモデルをマイクロソフトが発売すると、ほかのPCメーカーからクレームが入りますよね。WindowsやOfficeのライセンス料を払わなくていいなら、そのぶんほかより安くできますし。今回マイクロソフトがSurface Laptopを”学生向け”としてWindows 10 Sを載せたのは、そんなアレコレを回避するためだったりして……。
Surface Laptop
税込み 13万6944円から
https://little-beans.net/review/surface-go/
https://little-beans.net/surface/