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IdeaPad Slim 170 15.6型 (AMD)レビュー:チープだけど安いスタンダードノートPC

3.5
レノボIdeaPad Slim 170 15.6型 (AMD)レビュー

※機材貸し出し:レノボ・ジャパン合同会社

更新情報

  • 2024年1月11日:内容を全面的に書き換えました

レノボの『IdeaPad Slim 170 15.6型 (AMD)』(以下、”IdeaPad Slim 170 15.6型”)は、価格の安さが魅力のノートPCです。性能はあまり高くはないものの、ネットの調べ物やオフィスを使った文書作成には十分。価格は5万円台からで、導入コストを抑えたい人に向いています。

IdeaPad Slim 170 15.6型 (AMD)

IdeaPad Slim 170 15.6型 (AMD)

記事執筆時の価格

スペック 価格
Ryzen 5 7520U / 8GB / 512GB 5万7860円
Ryzen 7 5700U / 16GB / 512GB 6万4790円
Ryzen 5 7520U / 8GB / 512GB / Office 8万2830円
Ryzen 7 5700U / 16GB / 512GB / Office 8万9870円

※2024年1月11日時点

この記事ではメーカーからお借りした実機(グレーカラーのモデル)と筆者が購入した実機(サンドカラーのモデル)を使って、デザインや性能、実際の使い心地などをレビューします。

おことわり

このレビュー記事では、メーカー貸し出し機材を1週間程度試用した上で作成しています。長期にわたって試用した際の耐久性については検証していません。あらかじめご了承ください。

スペック

OS Windows 11 Home
ディスプレイ 15.6インチ、1920×1080ドット、IPS、非光沢、250nit、45% NTSC
CPU Ryzen 3 7320U(4コア8スレッド) / Ryzen 5 7520U(6コア12スレッド) / Ryzen 7 5700U(8コア16スレッド)
メモリー 8GB LPDDR5-5500(オンボード増設不可) または 16GB DDR4-3200(オンボード8GB+スロット8GB)
ストレージ 256 / 512GB NVMe SSD
グラフィックス Radeon 610M または Radeon Graphics ※CPU内蔵
通信 Wi-Fi 6、Bluetooth
インターフェース USB3.2 Gen1 Type-C(データ通信のみ)×1、USB3.2 Gen1×1、USB2.0×1、HDMI、SDメモリーカードスロット、ヘッドフォン出力 / マイク入力
セキュリティ ※生体認証なし
サイズ / 重量 幅360.2mm、奥行き236mm、高さ17.9mm / 約1.6kg
バッテリー 約14時間

本体デザイン

IdeaPad Slim 170シリーズは価格重視のモデルで、作りは格安ノートPC相当です。ボディは樹脂(プラスチック)製で手触りにやや安っぽさがあるものの、見た目はそれほどでもありません。ただし強度についてはそれなりなので注意してください。

IdeaPad Slim 170 外観

IdeaPad Slim 170の外観。本体カラーはクラウドグレーとされていますが、実際のカラーは明るいシルバーです 

IdeaPad Slim 170 15.6型 外観

以前はサンドの本体カラーのモデルも用意されていましたが、現在では販売されていません ※記事中でサンドモデルの写真を使う場合があります

IdeaPad Slim 170 ボディ

基本的には低価格帯のノートPCのため、外観はやや安っぽく感じます。本体は樹脂(プラスチック)製で、ツルツルとした手触り

IdeaPad Slim 170 フォルム

スリムなフォルム

IdeaPad Slim 170 キーボード面

パームレストはシルバーで、キーはダークグレー。レノボのIdeaPadシリーズではおなじみのデザイン

IdeaPad Slim 170 ディスプレイ角度

ディスプレイは180度近くまで開きますIdeaPad Slim 170 ベゼル

ベゼルは標準的な太さ

IdeaPad Slim 170 インターフェース

インターフェースは多くはありませんが、一般的な作業には支障がないレベル。ただしType-C端子がデータ通信のみである点は残念です

IdeaPad Slim 170 電源アダプター

電源アダプターは65Wの丸口タイプ。重さは343g

IdeaPad Slim 170 カメラ

Webカメラは100万画素でプライバシーシャッター付き

IdeaPad Slim 170 スピーカー

スピーカーは底面部左右に配置。音はややこもり気味で音量は小さめ。聞こえることには聞こえますが、ヘッドホンや外部スピーカーの利用をおすすめします

IdeaPad Slim 170 排気口

排気口はこの部分。排気は一度ヒンジに当たるので、ディスプレイに直接は当たりません

IdeaPad Slim 170 底面

底面はダークグレー。排気口のみのシンプルな作りです

サイズと重量

本体の質感はあまり高くはないものの、15.6インチタイプとしては軽量スリムかつコンパクトです。このサイズのノートPCでよく見られる「ゴツさ」や「野暮ったさ」は感じられません。

IdeaPad Slim 170 サイズ

本体サイズは幅360.2mm、奥行き236mm

IdeaPad Slim 170 大きさ

A4ノート(ピンク)とB5ノート(ブルー)とのサイズ比較。B4サイズよりもひと回り小さい程度で、15.6インチタイプとしては標準的な大きさです

IdeaPad Slim 170 厚さ

厚さは実測で18.2mm、底面部のゴム足を含めた設置時の高さは22.3mm

IdeaPad Slim 170 背面

本体背面。本体自体はそこそこスリムですが、ゴム足が高いので設置時にはやや厚く見えます

IdeaPad Slim 170 重さ

重量は実測で1.626kg。軽々と持ち運べるほどではありませんが、15.6インチタイプとしては軽量です

ディスプレイについて

画面サイズについては、一般的な格安ノートPCと同じです。以前は見づらいTNパネルが使われていましたが、いまは改善されてIPSパネルに変更されています。とは言え色の鮮やかさはいまひとつで、スマホやタブレットほどではありません。ノートPCとしては、必要最低限レベルと考えてください。

(注意)アマゾンではTNパネルのモデルが販売されている場合があります

IdeaPad Slim 170 ディスプレイ

IdeaPad Slim 170 デスクトップ

デスクトップの文字は2~2.8mm程度で、やや小さめです(標準のスケーリングは125%)

IdeaPad Slim 170 文書

以前のモデルでは見づらいTNパネルが使われていましたが、現在では見やすいIPSパネルに変わっています ※写真はTNパネル

キーボードについて

キーボードにはクセがあります。人によっては気にならないかもしれませんが、タイプ感にこだわる人は注意してください。たわみや底打ち感も若干感じられるため、特にキーを強く叩く人には不向きです。

IdeaPad Slim 170 キーボード

キーボードはテンキーありの日本語配列。バックライトは非対応です

IdeaPad Slim 170 配列

Enterキー周辺で一部のキーが隣接しているほか、「¥」キーがかなり小さく作られています。テンキーは標準的な4列構成

IdeaPad Slim 170 タイプ感

キーピッチは実測で18.5mm、キーストロークは実測で約1.2mm。キーピッチが狭いので、やや窮屈に感じます。キートップはややザラついた手触り

IdeaPad Slim 170 タイプ感

押した瞬間のクリック感は固いものの、ストロークが浅いのでタイプ感は軽め。指を上げ下ろして打つよりも、キーから離さずになでるように打つ人向け

IdeaPad Slim 170 タイプ音

タイプ音は強く叩くとパチパチと響きますが、軽いタッチならカタカタと比較的静か

ベンチマーク結果

試用機のスペック

CPU Ryzen 5 7520U(4コア/8スレッド、15W)
メモリー 8GB×1
ストレージ 256GB NVMe SSD
グラフィックス Radeon Graphics(Radeon 610M、CPU内蔵)

※ベンチマークテストはWindows 11の電源プランを「バランス」、電源モードを「最適なパフォーマンス」に設定した上で、標準収録ソフト『Lenovo Vantage』で「電源およびパフォーマンス」を「エクストリーム・パフォーマンス」に設定。さらに電源アダプターを接続した状態で実施しています

※ベンチマーク結果はパーツ構成や環境、タイミング、個体差などさまざまな要因によって大きく変わることがあります

CPU性能

CPUとしてはAMDのRyzen 7 5700UまたはRyzen 5 7520Uが使われています(以前はRyzen 3 7320Uのモデルも販売されていました)。

値段の安いRyzen 5 7520UモデルでCPUベンチマークテストを試したところ、最近のノートPC向けCPUとしては低めの結果が出ました。上位モデルで使われているRyzen 7 5700Uのほうが高性能ですが、現行世代としてはそれほど高性能ではありません。

 

とは言え最近のノートPC向けCPUはちょっと異様なほど高性能なので、特に気にする必要はありません。この機種であれば、普通の作業(ネットの調べ物やオフィスを使った文書作成など)には十分です。ただ長時間、あるいは頻繁に使うのであれば、16GBメモリーを搭載した上位モデルをおすすめします。

薄型ノートPC向けCPUの性能差 (総合性能)

CPU PassMark CPU Mark Score
Ryzen 7 7735U
21043
Core i5-1340P
20760
Core i7-1360P
19623
Ryzen 7 7730U
18979
Core i5-1335U
18240
Ryzen 5 7535U
17163
Ryzen 5 7530U
16196
Ryzen 7 5700U
15872
Core i7-1355U
15636
検証機(Ryzen 5 7520U)
10124
Ryzen 5 7520U
9759
Intel N100
5620

※そのほかのスコアはPassMark CPU Benchmarksによる集計値

グラフィックス性能

グラフィックス周りの処理には、CPU内蔵のグラフィックス機能が使われます。Ryzen 5 7520U搭載モデルで3Dベンチマークテストを行なったところ、内蔵タイプとしてはかなり低めの結果が出ました。上位のRyzen 7モデルでも、それほど高い結果は期待できません。とは言えゲームや高度な動画編集を行なわないなら、特に問題はないレベルです。

GPUの性能差(DirectX 11)

GPU 3DMark Fire Strike Graphicsスコア
GTX 1650
8513
Radeon 680M
7521
Iris Xe(Core i7+LPDDR4x)
4734
Iris Xe(Core i5+LPDDR4x)
4059
Iris Xe(Core i7+DDR4)
3420
Radeon (Ryzen 7)
3384
Iris Plus
2880
Radeon (Ryzen 5)
2652
Iris Xe(Core i5+DDR4)
2474
Radeon (Ryzen 3)
2324
IdeaPad Slim 170(Ryzen 5,Radeon 610M)
1756

※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均

PCを使った作業の快適さ

PCMark10は、PCを使った作業の快適さを計測するベンチマークテストです。一般的な作業を想定しているため、テストでは比較的軽い処理が行なわれています。

 

Ryzen 5 7520Uモデルでテストを行なったところ、最近のスタンダードノートPCよりは低いスコアではあったものの、それほど悪い結果ではありませんでした。むしろ価格が安いことを考えれば、十分検討していると言っていいかもしれません。

PCMark 10ベンチマーク結果

テスト スコア
Essentials
(一般的な利用)
目標値:4100
検証機8507
ThinkBook10616
Vostro9882
Flex510917
15-eg10258
Ins1610501
Productivity
(ビジネス利用)
目標値:4500
検証機7386
ThinkBook10003
Vostro6966
Flex59572
15-eg7417
Ins167622
Digital Contents Creation
(コンテンツ制作)
目標値:3450
検証機3683
ThinkBook6018
Vostro5500
Flex56536
15-eg6026
Ins166624

※スコアの目標値はPCMark 10公式サイトによるもの

比較機のスペック(スリムノートPC)

ThinkBook 14 Gen5 Ryzen 5 7530U / 16GB / Radeon
Vostro 15 3550 Core i5-1335U / 16GB / Iris Xe
IdeaPad Flex 5 Gen 8 Ryzen 7 7730U / 16GB / Radeon
HP Pavilion 15-eg Core i7-1355U / 16GB / Iris Xe
Inspiron 16 5630 Core i7-1360P / 16GB / Iris Xe

バッテリー駆動時間

バッテリーの駆動時間は約14時間とされています。しかしこれはバッテリーの消費量をグッと抑えた場合の結果。公称値は実際の利用を想定した測定結果ではないため、実際の利用では駆動時間が短くなりがちです。

そこでビジネス作業 (Web閲覧や文書作成、ビデオチャットなど)での駆動時間を計測したところ、開始から12時間53分で休止状態へ移行しました。公称値よりも短い結果ですが、バッテリー消費の大きいテストなので仕方がないでしょう。電源プランや画面の輝度を変更すれば、駆動時間はさらに延びるかもしれません。

バッテリー駆動時間の計測結果(Ryzen 5モデル)

テスト方法 バッテリー消費 駆動時間
※公称値 約14時間
Modern Office (ビジネス作業) 12時間53分
充電率50%までの時間 2時間04分
満充電になるまでの時間 3時間19分

※テストの条件や計測方法についてはコチラ

メモリーの増設について

IdeaPad Slim 170 15.6型のRyzen 5モデルはメモリーがオンボード(マザーボード直付け)のため、増設には対応していません。Ryzen 7モデルではスロットが1基用意されているので、換装してメモリー容量を増やせる可能性があります(未確認)。

IdeaPad Slim 170 15.6型 本体内部

IdeaPad Slim 170 15.6型のRyzen 5モデルの本体内部。メモリーの増設に必要なメモリースロットが用意されていません

IdeaPad Slim 170 15.6型

メモリーはマザーボードに直付けで、シルバーのシートで覆われています。SSDはM.2スロットに接続されているので、その気になれば換装できるはずです(手間がかかりますが)

ちなみにRyzen 5モデルでは標準で8GBメモリーを搭載していますが、実際にシステムで使えるメモリーは5.7GBしかありません。これはグラフィックス処理用に、2GBをビデオメモリーに割り当てているためです。5.7GBはシステムの容量としてはかなり少なく、実際の使用時にも処理がやや遅く感じることが多々ありました。

IdeaPad Slim 170 15.6型 メモリー

アイドル時におけるIdeaPad Slim 170 15.6型のメモリー使用状況。容量のうち2GBがVRAMに割り当てられているため、システムが使える容量は全部で5.7GBしかありません

そこでUEFI(BIOS設定)の「UMA Frame Buffer Size」を512MBに変更したところ、システムで使える容量が7.2GBに増えました。各種ベンチマークテストを行なったところスコアは標準時よりもやや下がっていますが、体感速度は向上しています。処理が遅いと感じたら、設定を変更するといいかもしれません。

IdeaPad Slim 170 15.6型

UEFIの「Configuration」で「UMA Frame Buffer Size」を「512M」に変更。その結果ベンチマークスコアは低下しましたが、体感的には処理が軽くなった気がします

CPUの性能差 (総合性能)

CPU PassMark 10 CPU Markスコア
IdeaPad Slim 170(設定変更前)
10124
IdeaPad Slim 170(設定変更前)
9946

値段を抑えたいならアリ

IdeaPad Slim 170

外観面でも映像品質でも、チープな部分は感じられます。性能についてはRyzen 5モデルならギリギリ普通に使えるレベル、Ryzen 7モデルなら比較的余裕を持って使えるレベルといったところ。重い作業でガッツリ使う人向けではなく、軽めの作業中心の人向けです。

 

とは言え、価格が安いのは魅力です。特に上位のRyzen 7モデルであればほとんどの初級~中級者には十分な性能ですし、このクラスのモデルが6万円台半ば(2024年1月時点)で買えることはなかなかありません。性能と価格のバランス面で見れば、コスパの高い機種です。

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